
「普通酒」がトロフィーを獲得した理由──新潟・白瀧酒造「弐光」、IWC 2026の躍進
日本酒には、ラベルだけでは中身が分からない酒がある。新潟県越後湯沢の白瀧酒造(1855年創業)が醸す「弐光(にこう)」は、まさにそうした一本である。法律上の分類は「普通酒」。しかしこの酒は2026年、世界最大級の酒類審査会の日本酒部門で、その分類の枠を超える評価を受けた。
銀から、トロフィーへ
舞台は、2026年のIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)だった。日本酒部門の出品1,738点の中から、都道府県・部門別に授与される最高賞「トロフィー」に選ばれたのは、わずか59点だった。弐光は、そのうち「新潟県・普通酒部門」のトロフィーを獲得した。
前年の2025年には、同部門でSilver(銀賞)を受賞していた。そこからわずか一年での躍進である。これに先立ち、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2025」の純米酒51-65%部門でも金賞を受けており、Oriental Sake Awards 2025(香港)でも金賞を獲得している。発売からおよそ一年半で、三つの国際コンクールで評価が続いた、ということになる。
なぜ「普通酒」なのか
そもそもなぜ弐光は「普通酒」に分類されるのか。法律上、規定外の副原料を醸造過程で加えると、純米大吟醸などの「特定名称酒」の枠から外れて普通酒に分類される。弐光では、まさにその副原料として独自の素材を選んでいる。
廃棄物を、もう一つの光に
その副原料は、米糠(こめぬか)だ。
SAKE HUNDREDのフラッグシップ「百光(びゃっこう)」は、精米歩合18%という極限の磨きで知られる。米の82%を削り落とすため、原料米1.85キロを精米すると、約1.5キロの米糠が出る。通常、この米糠は酒の風味を損なうため、酒造りには使われず、廃棄されるか、別の用途に回される。
白瀧酒造は、その米糠を四段目の仕込みに投入した。それは、「捨てられていたもの」を「上質な甘味の素材」へと転じるアップサイクルである。「百」に対する「弐」、そしてもう一つの「光」。銘柄名そのものに、両者の関係が刻まれている。
白麹による四段仕込み──焼酎の麹を日本酒に
もう一つの工夫は、麹の選択にある。日本酒は通常、黄麹(きこうじ)と呼ばれる麹で造られる。一方、弐光では、焼酎造りに使われる「白麹」を四段目に意図的に組み込んでいる。白麹はクエン酸を多く生成する。一般的な日本酒の酸味(乳酸主体)とは異なる、柑橘を思わせる、はつらつとした酸味が生まれる。
日本酒度マイナス18という極甘口でありながら、酸度1.7の酸が、全体を引き締める。さらに超低温で仕込むことで発酵時の炭酸ガスを酒中に閉じ込め、微発泡によるフレッシュ感を加えている。SAKE HUNDREDの公式テイスティングノートには、和梨、ストロベリースムージー、白い花、生アーモンドといった香りを表す言葉が並ぶ。
ラベルではなく、中身で
弐光が示しているのは、「普通酒」という呼び名が、必ずしも酒の格を意味しないという事実である。同じ酒が、Kura Masterでは純米酒51-65%部門で金賞を受け、IWCでは普通酒部門でトロフィーに選ばれている。分類は、コンクールごとに異なる。しかし、どの審査の場でも評価されている。
バンコクへ
弐光は、アルコール13.4%という軽快な酒質設計と、超低温仕込みによる微発泡を特徴とする。2025年にはバンコクでも、プレミアムホテルで蔵元が関わるイベントが開かれている。「普通酒」という言葉の奥にある一本を、これからどう紹介していくか。その問い自体が、業界の語り口を静かに更新していくはずだ。
This article is intended solely to explore the brewing philosophy and cultural heritage of Shirataki Sake Brewery (the producer of NIKO) and the SAKE HUNDRED brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับปรัชญาการผลิตและมรดกทางวัฒนธรรมของโรงสาเก Shirataki (ผู้ผลิต NIKO) และแบรนด์ SAKE HUNDRED เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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