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樽熟成焼酎の違いは、樽に入る前から始まっている

成人の男女が7本の蒸留酒を並べて比べる様子を、年輪と7つの経路を背景に描いた編集イラスト

酒粕、発酵、熟成、瓶詰め。7本の製法から、その個性をたどる。

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樽熟成焼酎の特集を、日本語の音声で紹介します。

琥珀色の焼酎を見ると、どんな樽で何年熟成したのかが気になる。けれども、樽に入れる時点で、酒にはすでに原料や発酵に由来する香りがある。そこへ木の成分や貯蔵中の変化が重なり、瓶詰めされる酒の特徴が形づくられる。

今回取り上げるのは、樽熟成が特徴の5本と、酒粕や発酵を理解する手がかりになる2本である。原料から順に製法をたどると、色や年数だけでは分からなかった違いが見えてくる。

酒粕から、次の酒造りが始まる

日本酒を搾った後に残る酒粕には、アルコールや香りの成分が含まれている。料理や漬物に使われるほか、蒸留酒の原料にもなる。蒸留とは、原料を加熱して出た蒸気を冷やし、アルコールや香りの成分を取り出す工程だ。

七賢の「アラン・デュカス サステナブル・スピリッツ」は、酒粕を蒸留し、白州のウイスキー樽で3年熟成させる。日本酒造りで生まれた素材を、蒸留と樽熟成へつなぐ造りである。

八海山の粕取り焼酎「宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)」も、原料は酒粕だ。こちらは新鮮な酒粕を減圧蒸留し、3年以上貯蔵する。減圧蒸留は、蒸留器の内部の圧力を下げ、通常より低い温度で行う方法である。同じ酒粕から始まっても、その後にどのような工程を経るかで、酒の特徴は変わっていく。

同じ米由来でも、仕込みが違う

同じ八海山の「風媒花(ふうばいか)」は、米、米麹、酒粕を使い、原料を3回に分けて仕込む。減圧蒸留の後はオーク樽に貯蔵する。宜有千萬とは、蔵元が同じで、アルコール度数もともに40%だが、原料と仕込み、貯蔵方法に違いがある。

ここで麹の役割を押さえておきたい。麹は、米などの穀物に麹菌を育てたものだ。麹菌が作る酵素が米のでんぷんを糖に変え、酵母がその糖からアルコールや香りの成分を生み出す。

「SG SHOCHU Kome」は、白麹を使った低温発酵と減圧蒸留で造られる。公式の香りの説明には、リンゴやパイナップルが登場する。これは果物を加えたという意味ではなく、発酵と蒸留を経た米由来の酒の香りを、身近な果物にたとえた表現である。

年数とあわせて、樽の種類を見る

樽熟成では、木から酒へ成分が移り、色や香りが変わる。酒そのものにも、時間の経過に伴う変化が起こる。

「六調子 赤 13年」は、通常の圧力で蒸留した米焼酎を樫樽で13年熟成させる。一方、豊永酒造の「奥球磨」は、本格米焼酎をシェリー樽で7年貯蔵する。シェリー樽とは、スペインの酒であるシェリーの熟成に使われた樽のことだ。

この2本を説明するときは、13年と7年という数字に、原酒の造りや樽の種類を添えると分かりやすい。何年熟成・貯蔵したかに加え、どのような酒が、どのような樽で過ごしたかが、それぞれの個性を理解する手がかりになる。

瓶詰めの方法にも、造り手の考えが表れる

堤酒造の「極上 堤」は、一つの樽から取り出した原酒だけを瓶詰めする。このような製品を単一樽、またはシングルカスクと呼ぶ。樽ごとに生じた色や香りの違いを、製品の特徴として残す方法である。

奥球磨では、瓶詰め時の分類にも背景がある。蔵元の説明によると、樽由来の色が本格焼酎の着色度の基準を上回るため、食物繊維を加え、リキュールとして瓶詰めしている。「リキュール」という表示を製法と合わせて読むと、樽で熟成させた米焼酎が土台にあると分かる。

酒粕を蒸留すること、仕込みを変えること、樽を選ぶこと、一つの樽の違いを残すこと。7本の製法をたどると、熟成の前後にも造り手の判断がある。樽の名前や年数は、その一連の仕事を知る入口になる。


This article explores the ingredients, distillation methods and maturation practices behind seven Japanese rice-based spirits for educational purposes. It does not promote the purchase or consumption of alcohol. Intended for readers aged 20 and over.

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