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さつまいもから

ライチの香りがする

芋焼酎の世界には、暗黙のルールがある。

さつまいもは「鮮度が命」だ。収穫したら、できるだけ早く蒸して仕込む。時間が経てば芋は傷む。傷んだ芋は異臭のもとになる。だから、急ぐ。芋焼酎の現場では、それが常識とされてきた。

鹿児島県いちき串木野市の濵田酒造は、その常識に逆らった。

「傷む」のではなく、「熟す」

1868年創業の濵田酒造の研究チームが気づいたのは、温度・湿度が管理された環境のもとでさつまいもを熟成させると、モノテルペンアルコールと呼ばれる香気成分の前駆体が豊富に生まれるという事実だった。リナロール、ゲラニオール、ネロール。これらは、ワイン用ブドウ品種のゲヴュルツトラミネールやマスカットにも含まれる化学成分だ。

排除すべきだと思われていた「熟した芋」の中に、ライチやバラを思わせる鮮烈な果実香が眠っていた。

この発見を「香熟芋(こうじゅくいも)」製法と名づけ、芋焼酎生産者の1%未満しか採用していない減圧蒸留によって、香りを壊さずに引き出している。さらに、黒麹がドライな酸味とコクの骨格を形成し、カクテルの中でもしっかりと存在感を保てる設計になっている。

焼酎の「メスカル・モーメント」

2025年6月、英国の酒類専門メディア「The Spirits Business」の記事が業界の注目を集めた。世界最大の焼酎ブランドであるいいちこが、米国のバー市場でカクテルのベーススピリッツとしての地位確立を目指しているという内容だ。いいちこのゼネラルマネージャーは「焼酎には、メスカルと同じ道をたどってメインストリームに入る強いポテンシャルがある」と語った。

メスカルは、かつてテキーラの陰に隠れた無名の蒸留酒だった。それがクラフトカクテルの世界でバーテンダーに「発見」され、テロワールと職人性を武器にグローバルスピリッツの仲間入りを果たした。焼酎も同じ道を歩めるはずだ、というのが業界の見立てだ。同記事では焼酎を「under the radar(レーダーに映らない存在)」と表現しているが、この余白こそが伸びしろでもある。

ワークホースとスタープレイヤー

焼酎がカクテル文化の中に入り込む。この動きは、いいちこだけの話ではない。

DAIYAME 40もまた、最初からカクテルベースとして設計されたスピリッツだ。40度というアルコール度数は、ジンやウォッカと同じ棚に並ぶことを意味する。2021年の発売当初から海外のバー市場を主戦場とし、日本国内では2026年2月まで販売されなかった。

ただ、同じ「カクテル向け焼酎」でも、役割はまるで違う。いいちこが米国市場に投入した43度の「Saiten」が、旨みと汎用性で「どんなカクテルにも溶け込むワークホース」を目指すのに対し、DAIYAME 40はライチの香りという際立った個性でカクテルの主役を張る「スタープレイヤー」だ。

この個性はIWSC・SFWSC・ISCといった世界の主要な酒類コンペティションでも評価を得ており、焼酎という枠にとどまらず、一つのスピリッツとして受け止められつつある。ボトルもまた、従来の焼酎のイメージから離れている。法隆寺にも通じる「大和比」(1:1.414)で設計された黒い「漆カット」のデザインは、どの棚に置かれても静かな存在感を放つ。

ライチが結ぶ、鹿児島とバンコク

ここで、ひとつ興味深い符合がある。

DAIYAME 40の香りの核はライチだ。そしてタイは、ライチの産地としても知られる国である。NYのバーテンダーにとっては「エキゾチックなフレーバー」であるライチの香りが、バンコクでは「親しみのある香りの、意外な出どころ」へと変わる。鹿児島のさつまいもとバンコクの食文化が、ライチという一点で結ばれる。

マンゴー、パッションフルーツ、ココナッツ。この街にあふれる南国フルーツとDAIYAME 40の香りのプロファイルが交わる領域は、まだ十分に探索されていない。その未踏の領域がどこへ向かうのか、静かに想像してみたくなる。


This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Hamada Syuzou and the DAIYAME 40 brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Hamada Syuzou และแบรนด์ DAIYAME 40 เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


“初出品で最高位 | 薩州 赤兎馬が証明した、芋焼酎の可能性” / “芋焼酎なのに、グラスからライチが香る”


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