
薩州 赤兎馬 抹茶
鹿児島県産の抹茶と緑茶を、蒸留後ではなく発酵の中へ。異なる方法で蒸留した二つの酒を重ね、芋の奥行きから抹茶の穏やかな苦味、煎茶の清涼感へとつなぎます。茶を用いながら、本格芋焼酎として成立させる設計です。
後から混ぜず、発酵へ取り込む
鹿児島県産の抹茶と緑茶は、発酵段階で加えられます。茶は製造設計の一部として蒸留を通るため、完成した酒へ香味を足すリキュールとは異なる輪郭を持ちます。
奥行きと清涼感を、別々に引き出す
最終的な酒は、役割の異なる二つの蒸留酒をブレンドして構成されます。常圧蒸留が芋の厚みと奥行きを保ち、低温蒸留が茶の軽やかで上向きの香りを受け持つ。その重なりが、単調ではない推移を生みます。
芋の甘み、抹茶の苦味、煎茶の清涼感
やわらかな芋の甘みと旨味から、抹茶の穏やかな苦味へ移り、煎茶を思わせる青く清らかな余韻へ。茶は甘いフレーバーではなく、味わいを運ぶ構造と移ろいとして現れます。
茶を、本格焼酎の構造の内側へ
2025年に登場した「薩州 赤兎馬 抹茶」は、茶を表面的な風味ではなく、発酵と蒸留の一部として扱います。鹿児島の茶の個性を、本格芋焼酎の骨格と切り離さずに表現するための選択です。
甘み、苦味、清涼感の三段階に
上に記録されているのは、やわらかな芋の甘みから、抹茶の穏やかな苦味へ移り、煎茶を思わせる清らかな余韻に至る味わいです。茶は甘いフレーバーではなく、味わいを運ぶ構造として現れます。ここでは、その三段階に沿う方向を四つ挙げます。蔵元が公式に示した組み合わせではなく、記録された特徴からの読み取りです。
参考資料『ロジカルペアリング』の理論では、苦味や渋みが脂質を引き締める抑制効果として整理されています。旨味や脂とのバランスがあってはじめて働く効果とされ、この一本の三段階の構造とも重なります。
伝統・革新・継承を担う三つの蔵
濵田酒造は1868年、鹿児島県いちき串木野市に創業しました。伝兵衛蔵、傳藏院蔵、金山蔵がそれぞれ「伝統」「革新」「継承」を担い、歴史的な造りと現代の研究開発を一つの蔵元の中でつないでいます。
