
薩州 赤兎馬 玉茜
現行仕様は、歩留まりより香りを選び、タマアカネを全量使用。白麹、常圧蒸留、独自の特殊濾過が、金木犀や紅茶を思わせる原酒の香りを、オレンジのような柑橘の輪郭へ磨きます。
旧処方を混ぜず、タマアカネ全量で
現行品は、タマアカネを全量使用した仕様です。黄金千貫とのブレンドや「1年以上熟成」という説明は旧仕様に属します。
効率ではなく、香りのために
タマアカネはβ-カロテンを多く含む橙色のさつまいもで、焼酎では熱帯果実や花を思わせる香りにつながります。一方、でんぷん量が低く、製造効率に優れる原料ではありません。希少性を煽るのではなく、香りのために歩留まりを選ばなかった点に価値があります。
金木犀と紅茶から、オレンジへ
蔵元はタマアカネ原酒に、金木犀や紅茶を思わせる香りを記録しています。そこへ赤兎馬独自の特殊濾過を重ね、オレンジのような柑橘香へ磨き上げる。抽出だけでなく、香りを編集する工程がこの一本の核です。
玉茜を、酒の設計全体へ
2025年の現行仕様は、玉茜を原料設計の中心に据えています。花や茶葉を思わせる個性は脇役ではなく、香り、味わい、余韻を一つにつなぐ軸として現れます。
金木犀からオレンジへ、香りをたどる
上に記録されているのは、金木犀や紅茶を思わせる原酒の香りが、特殊濾過を経てオレンジのような柑橘香へ磨き上げられる工程です。抽出ではなく編集された香りが、この一本の軸をつくります。ここでは、その香りの移ろいに沿う方向を四つ挙げます。蔵元が公式に示した組み合わせではなく、記録された特徴からの読み取りです。
フードペアリングの理論では、柑橘の香気成分が魚介や鶏肉の香りと共鳴しやすいことが整理されています。花や紅茶に似た香りも、同じ系統の香りと重ねることで働きやすくなります。
伝統・革新・継承を担う三つの蔵
濵田酒造は1868年、鹿児島県いちき串木野市に創業しました。伝兵衛蔵、傳藏院蔵、金山蔵がそれぞれ「伝統」「革新」「継承」を担い、歴史的な造りと現代の研究開発を一つの蔵元の中でつないでいます。
