Blog
焼酎はタイ米から作られる? 屋久島・三岳酒造の米麹と泡盛の原料をたどる

芋焼酎の原料はサツマイモである。「芋焼酎」という名前だけを見れば、そう読める。しかし鹿児島県の屋久島で三岳酒造が造る芋焼酎「三岳」の仕込みをたどると、もう一つの原料が見えてくる。タイで育った米だ。バンコクの食卓に日々並ぶ米が、南の島の焼酎造りを支えている。なぜ屋久島の蔵は、タイの米を選び続けてきたのか。
芋焼酎に米が要る理由
サツマイモのでんぷんは、そのままでは酵母が発酵に利用できない。芋のでんぷんを糖に変える酵素が必要で、その酵素を供給するのが麹である。本格芋焼酎では、蒸した米に麹菌を繁殖させて米麹をつくり、水と酵母を加えて一次もろみを仕込む。そこへ蒸したサツマイモを加えて二次もろみをつくる二段階の工程が広く用いられている。原材料表示に「さつまいも」と並んで「米こうじ」と記されるのはこのためだ。芋焼酎は、主に芋と米麹を原料として生まれる酒である。
創業から変えなかった米
三岳酒造は、米麹に使う米として創業当初からタイ米を採用している。代表取締役の馬場一善氏は、タイ米は麹造りで扱いやすいと述べ、「当社の味を守るなかではタイ米が一番適している」と説明する。
一般に、タイ米に代表される長粒種のインディカ米は粘りが少なく、蒸したあとも粒がほぐれやすい。この性質が麹造りに向く理由として挙げられることが多い。自動制御の機械を取り入れた今も、三岳酒造は味の土台となる麹の米を変えていない。
三岳酒造では、このタイ米に白麹菌を繁殖させて米麹をつくる。白麹は鹿児島の芋焼酎で広く使われてきた麹菌である。コガネセンガン由来の甘い香りを下支えする米麹。その原料となる米は、遠くタイの田で育っている。屋久島の蔵で、芋とタイの米が一つの仕込みの中で合わさる。
屋久島の湿度と「0.0何度」の管理
麹造りは、焼酎造りの工程の中でも、とりわけ人の判断が問われる段階である。屋久島は雨の多い島である。高い湿度は麹菌の繁殖に適している一方、日々の変化も大きい。三岳酒造では、温度や湿度、米の水分量を確かめながら麹を育てる。自動制御の機械を導入していながら、杜氏(酒造りの最高責任者)はあえて制御盤を手で操作することもある。馬場氏によれば、温度は「0.0何度みたいな範囲」まで細かく管理し、データを取りながら調整しているという。
サツマイモの選び方にも同じ姿勢がある。主に使うのは、芋焼酎の代表的な品種であるコガネセンガンだ。数年前、基腐病(もとぐされびょう)の影響でコガネセンガンの確保が難しくなった時期には、ほかの品種も試した。そのうえで、やはりコガネセンガンが適していると判断し、現在もできる限りこの品種を使っている。
泡盛もまたタイ米の酒
タイ米と日本の蒸留酒の縁は、三岳に限らない。沖縄の泡盛は、黒麹を用い、米のすべてを麹にする「全麹仕込み」が基本である。その原料米には、タイ産の長粒米が広く使われている。芋焼酎では麹に使う米として、泡盛では主原料として、タイ米は日本南部の蒸留酒文化に深く組み込まれている。
すべての焼酎がタイ米を使うわけではない。国産米で麹を造る蔵も多く、米の選び方は蔵ごとの判断である。だからこそ、どの米を選び、なぜそれを続けるのかという問いは、その蔵の考え方を映し出す。
名前に出てこない原料
「芋焼酎」という名前は、主原料の芋を示している。ただ、その名前が伝えるのは原料の一部にすぎず、造り手が何を選び続けてきたかまでは語らない。その味の骨格には、麹の米と、それを扱う人の手仕事がある。タイの田で実った米が海を渡り、屋久島の湿った空気の中で麹になり、焼酎となって再び海を渡る。すべてではないが、日本の焼酎の一部には、確かにタイ米が使われている。原材料表示の「米こうじ」の一語の先に、タイの米作りと屋久島の蔵がつながっている。
This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Mitake Shuzo and the Mitake brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Mitake Shuzo และแบรนด์ Mitake เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
Related Articles
“タイの大地から沖縄へ、そしてバンコクへ ── 今帰仁酒造「千年の響」が語る泡盛の循環” / “世界遺産・今帰仁城跡の麓で、タイ米が琥珀色の酒になる──今帰仁酒造「千年の響」が描く、琉球泡盛のもう一つの流儀” / “「泡盛の菌」から「琉球の菌」へ|黒麹菌の名前と泡盛蔵の新しい挑戦” / “英国の大会で優勝した泡盛カクテル。その背景にある「四日麹」” / “黒麹・白麹・黄麹”
Related Product(s)
三岳 / 川越 / 千年の響 / AWAMORI DE LEQUIO
Discover the culture behind every bottle
We share brewery stories, tasting notes and the craft of koji & fermentation | for educational and cultural purposes only.
เราถ่ายทอดเรื่องราวจากผู้ผลิต บันทึกรสชาติ และศาสตร์แห่งโคจิและการหมัก | เพื่อการศึกษาและวัฒนธรรมเท่านั้น