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世界遺産・今帰仁城跡の麓で、タイ米が琥珀色の酒になる──今帰仁酒造「千年の響」が描く、琉球泡盛のもう一つの流儀

世界遺産・今帰仁城跡の麓で、タイ米が琥珀色の酒になる──今帰仁酒造「千年の響」が描く、琉球泡盛のもう一つの流儀
沖縄本島北部、国頭郡今帰仁村(なきじんそん)仲宗根。世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産である今帰仁城跡(なきじんぐすくあと)の麓に、35基の大型貯蔵タンクが穏やかに連なる蔵がある。今帰仁酒造株式会社は、1948年創業の、今帰仁村でただ一つの酒造所である。この蔵が戦後の混乱期から70年あまりをかけて磨き上げてきた長期熟成古酒(クース)のシリーズは、「千年の響」と名づけられている。注目すべきは、原料に米こうじ(タイ産米)が使われていることだ。タイで育った米が琉球の地で泡盛となり、樫樽や南蛮甕でゆっくりと琥珀色を帯びていく。その液体が再び海を越えて、バンコクのカウンターに届く。「千年の響」は、日本の蒸留酒のなかでもひときわ特異な、循環の物語を湛えた一本である。
1948年、今帰仁城跡の麓で始まった蔵
今帰仁酒造は、沖縄戦終結後間もない1948年、北山王朝(14世紀から15世紀初頭)の居城跡の麓で、地名をそのまま社名に冠して創業した。風光明媚な丘陵地に並ぶ35基の大型貯蔵タンクは、蔵のシンボルとして地域の風景に組み込まれている。今帰仁村にはほかに酒造所がなく、村と蔵がそのまま重なり合う関係性が、戦後の復興期から現在まで途切れずに続いてきた。世界遺産・今帰仁城跡が観光客を迎える同じ丘陵で、酒造りもまた、ゆっくりと今日まで歩みを重ねてきた。
タイ米と黒麹、東アジア最古級の蒸留酒の系譜
泡盛は、1671年に徳川家綱へ献上された記録が残る、約500年の歴史を持つ国内最古級の蒸留酒の一つである。その伝統的な製法は、世界の蒸留酒のなかでも独特だ。タイ産米に泡盛固有のアワモリコウジカビ、いわゆる黒麹菌を生やして米こうじを造り、亜熱帯の温暖な気候のなかで安定した発酵を行い、単式蒸留器で常圧蒸留する。長粒種のタイ米と黒麹の組み合わせは、旺盛なクエン酸生成をもたらし、重厚なコクを生み、これが泡盛の骨格を決めている。「千年の響」は、その伝統製法を踏襲しつつ、貯蔵の段階で二つの方向へ分岐していく。
樫樽と南蛮甕、二つの容器が育てる二つの表情
「千年の響」シリーズは、貯蔵容器によって表情を変える。一つは樫樽(オーク)による長期熟成古酒。樽材から移るバニラやメイプル、ナッツの香り、そして琥珀色そのものが原酒に静かに溶け込み、ブランデーを思わせる甘やかなアロマと丸みを得る。もう一つは伝統的な南蛮甕(なんばんがめ)による熟成。「千年の響 かめ壷貯蔵 七年古酒」では、7年の歳月が、奥深いコクと上質な香味を、原酒のなかにゆっくりと溶け込ませていく。それぞれ25度と43度の2種類の度数で展開され、計4銘柄のラインナップを構成。同じ蔵、同じ原酒から始まりながら、容器と度数によって異なる輪郭を描き分ける商品設計となっている。
殿堂入りという、静かな到達点
「千年の響」は、東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)の焼酎部門で「殿堂入り」を果たしている。TWSCの殿堂入りは、3年連続で最高金賞または金賞を獲得した銘柄に与えられる栄誉であり、本格焼酎・泡盛のなかでその栄誉を得た銘柄は限られている。2020年にはTWSC「Best of the Best」を受賞し、2022年にはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)で金賞(Gold Medal)を獲得。さらに、ベルギーのモンドセレクションでは、2009年から2014年にかけて連続して最高金賞を獲得した記録が残る。2019年のG20大阪サミットについて、蔵元は、「千年の響 かめ壷貯蔵 七年古酒 43度」が首脳級レセプションで提供されたと発表している。権威ある評価が、この一本の背景に静かに積み重なっている。
バンコクのカウンターで、ロックや、繊細に仕立てた水割りで供されるとき、グラスの向こう側には、世界遺産・今帰仁城跡の麓に並ぶ35基のタンクと、戦後の混乱期から続く蔵の70年あまりの歩みと、長粒種のタイ米が琉球を経て、樫樽や甕の中で琥珀色の酒へと変わる時間が、重なり合うように息づいている。
This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Nakijin Shuzo and the Sennen no Hibiki brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Nakijin Shuzo และแบรนด์ Sennen no Hibiki เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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