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白州の名水と、1880年の行在所
「七賢 大中屋」が生まれた場所

「白州(HAKUSHU)」と聞いて、サントリー白州蒸溜所を思い浮かべる人は多いだろう。あの蒸溜所が仕込み水としている尾白川の伏流水(南アルプス甲斐駒ヶ岳の花崗岩層で数千年にわたり濾過された軟水)。同じ尾白川の伏流水を酒造りに使い続けている蔵が、もうひとつある。山梨銘醸「七賢」。1750年(寛延3年)、北原家初代・中屋伊兵衛が、台ヶ原の水に惚れ込んでこの地に蔵を構えた。創業から275年以上が経つ。
1835年、「竹林の七賢人」の欄間が届いた日
蔵は時代の節目ごとに姿を変えてきた。1835年、5代蔵元・北原伊兵衛延重が母屋を新築する。その際、信州・高遠城主の内藤駿河守から贈られたのが、諏訪の宮大工・立川専四郎富種の手による欄間「竹林の七賢人」である。賢人たちが竹林に集い、詩を語り、酒を酌み交わしたという中国・魏晋時代の故事から、蔵は酒銘に「七賢」を冠した。
1880年には、明治天皇の巡幸の折、この母屋の奥座敷が行在所(あんざいしょ、天皇の宿泊先)として用いられている。この母屋、現在の本館は、いまも山梨県有形文化財に指定されている。
白州の水で醸す、純米大吟醸のフラッグシップ
「七賢 大中屋(おおなかや)」は、その山梨銘醸が掲げるフラッグシップの純米大吟醸である。「大中屋」は、2014年に北原家が立ち上げた農業法人の名でもある。13代社長・北原対馬氏と、専務で醸造責任者を兼ねる北原亮庫氏の兄弟が、それまでの普通酒を廃止して全製品を特定名称酒に統一し、自社および地元農家による酒米栽培にも踏み出した。蔵の哲学である「米が2割、水が8割」が、米の段階にまで貫かれた瞬間である。
仕込み水は、南アルプスユネスコエコパーク内を流れる尾白川の伏流水。日本の名水百選にも選ばれた、花崗岩層で濾過された軟水である。原料米は兵庫県特A地区産の山田錦を主軸とし、精米歩合37%まで磨き上げる。アルコール度数は16%。柔らかな甘味と、繊細な余韻が一本のなかで重なり合うように設計されている。
アラン・デュカスと協働する蔵が掲げる、もうひとつの旗印
国際的な評価も着実に積み重ねている。フランスのソムリエが審査するKura Master 2021では、純米大吟醸部門でプラチナ賞を受賞。International Wine Challenge(IWC)でも、複数年にわたって継続的に評価を受けている。山梨銘醸としても、令和6年(2024年)の全国新酒鑑評会で金賞を受けている。
七賢は、2021年からフランス料理界の巨匠アラン・デュカス氏との緊密な共同開発を続けている蔵としても知られる。スパークリング日本酒「SHICHIKEN Selection Alain Ducasse Sparkling Sake」を生んだ蔵が、もうひとつの旗印として掲げているのが、この大中屋である。
バンコクから読む「七賢 大中屋」
バンコクから見れば、七賢 大中屋は、その背景にある構造を通して読むのがふさわしい。白州の水、北原家の歴史、1880年の行在所、そして山梨銘醸が重点を絞ったプレミアム酒のラインナップへ移ってきた歩みである。海外のテイスティングノートに挙がるタンジェリン、マシュマロ、ジャスミン、ホワイトティーといった言葉は、飲み方の推奨ではなく、この酒の香りの設計を示す目印として読める。
この記事の価値は、文化的・教育的なところにある。旗艦の純米大吟醸を、それを形づくった水、建築、農業の判断に結びつけて見ること。飲用を促すことが目的ではなく、七賢のラインナップのなかで、そして白州の酒造りという大きな物語のなかで、この酒がなぜ固有の位置を占めるのかを説明することにある。
This article is intended solely to explore the brewing philosophy and cultural heritage of Yamanashi Meijo (Shichiken) and its flagship junmai daiginjo “Onakaya”, including the 1750 founding in Hakushu, the 1835 origin of the Shichiken name from the “Seven Sages of the Bamboo Grove” transom, the 1880 designation as Emperor Meiji’s anzaisho, and the international recognition through Kura Master 2021 Platinum and IWC 2020 Gold, and is not intended to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับปรัชญาการผลิตและมรดกทางวัฒนธรรมของ Yamanashi Meijo (Shichiken) และสาเก Junmai Daiginjo เรือธง “Onakaya” รวมถึงการก่อตั้งในปี 1750 ที่ Hakushu, ที่มาของชื่อ Shichiken ในปี 1835 จากภาพแกะสลัก “Seven Sages of the Bamboo Grove”, การกำหนดให้เป็น Anzaisho ของจักรพรรดิ Meiji ในปี 1880 และการได้รับการยอมรับในระดับสากลผ่านรางวัล Kura Master 2021 Platinum และ IWC 2020 Gold เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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