
片麻岩の畑がミュスカデの物語を書き換える
ロワール渓谷、Monnièresの五代目ヴィニュロンが手がける、熟成を見据えた白ワイン
軽く飲む白というイメージの、その先へ
「ミュスカデ」と聞くと、多くの人は牡蠣に合わせる軽やかな白ワインを思い浮かべる。フランス、ロワール川の河口に近い地域でつくられるこのワインは、長くアペリティフか、気軽な魚介料理の相棒という役割に置かれてきた。しかし、その産地であるペイ・ナンテの地下には、最大14種類にも及ぶ土壌が複雑に広がっている。片麻岩、斑れい岩、花崗岩。同じブドウ品種からでも、深い個性をもつワインが生まれ得る土壌の多様性である。その可能性を1980年代から静かに探ってきた一人が、Monnièresの五代目当主、Vincent Cailléである。
ハチドリの寓話に見る、手をかける哲学
「ハチドリの物語」として知られる寓話は、Cailléの考え方をよく表している。森が燃え、他の動物たちが逃げるなかで、ハチドリだけがくちばしで小さな水滴を運び続ける。「私は、自分にできることをする」(Je fais ma part)。この言葉は、彼が有機栽培とビオディナミへ移行した、控えめでありながら揺るがない動機を示している。
Cailléは1996年に有機栽培を始め、2007年にEcocert認証、2012年にはビオディナミの国際的な基準であるDemeter認証を取得した。4つの村にまたがる50区画、計25ヘクタールの畑では、化学的な投入物を用いない。かつてこの地域では絶滅の危機にあると考えられていた野生のチューリップが再び咲くことは、土壌の生命力が戻ったことを示す、具体的で美しい兆しとなっている。
古樹と一つの片麻岩区画
Fief Seigneurは、Monnièresの片麻岩の母岩に深く根を張る、単一区画から生まれるキュヴェである。Melon de Bourgogneの純粋な個性を表すこの畑では、樹齢およそ60年のブドウ樹が地下深くの片麻岩層まで根を伸ばしている。発酵は土着酵母だけで自然に進み、その後、地下のコンクリートタンクで9〜12か月、澱とともに熟成される。亜硫酸の添加は最小限に抑えられている。参考までに2020年ヴィンテージの総亜硫酸量は、EUの有機ワイン規定で認められる上限の半分を大きく下回り、純度への強い姿勢を示している。
Cailléの醸造哲学の中心には、シュール・リー熟成の時間こそがテロワールを真に表す鍵であるという考えがある。同じ片麻岩土壌から、9か月熟成のFief Seigneurと、2019年にクリュ・コミュナルとして認められたMonnières-Saint-Fiacreをつくる後者は24か月以上かけて丁寧に熟成される。同じ土壌、同じブドウであっても、時間だけが異なる表現を育てる。
時間のためにつくられる白ワイン
2020年は、ロワールにとって特に印象的なヴィンテージだった。2014年から続く霜害のない優れた年の流れを締めくくり、熟度と鮮度の均衡に恵まれた。Decanterは、こうした辛口白ワインが少なくとも10〜15年、優雅に熟成する力を持つと評している。ワインは2022年1月に瓶詰めされた。2026年の今は、瓶詰めから約4年を経て、澱熟成によるうま味の深さと、片麻岩由来の明瞭なミネラル感が一つに溶け始める時期に入っている。
ミュスカデを軽い白ワインとしてだけでなく、テロワールの深いニュアンスを映し、熟成にも応えるワインとして捉え直す静かな動きがある。Cailléは、その変化の中心で丹念に働くつくり手の一人だ。小さなくちばしで水を運ぶハチドリのように、彼は一つの区画、一つのヴィンテージごとに、自分にできることを続けている。(Mr. Bacchus)
This article is intended solely to explore the winemaking artistry and cultural heritage of Domaine Le Fay d’Homme and the Fief Seigneur brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับศิลปะการทำไวน์และมรดกทางวัฒนธรรมของ Domaine Le Fay d’Homme และแบรนด์ Fief Seigneur เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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