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燃料の計画から生まれたラム|ラオスの蒸留所LAODIの造り方

大きな川のほとりの焼かれていない緑のサトウキビ畑と、道に積まれた手刈りの茎、小さな木造の蒸留小屋を描いた浮世絵風イラスト

メコン川をはさんでタイのノンカーイ県と向き合う、ラオスの首都ヴィエンチャン郊外のパックグム郡。この地に、LAODI(ラオディ)というラムの蒸留所がある。名前は、国名「ラオス」に由来する「ラオ」と、ラオス語で「良い」を意味する「ディ」を重ねたものだ。

造り手は、広島県福山市出身の井上育三氏である。化学分析機器を扱う企業で営業部長を務めたあと、52歳でラオスに移り住んだ。ただし、井上氏が当初計画していたのは、ラム造りではなかった。

燃料の計画から、ラムへ

2006年、井上氏は仲間とともに、サトウキビからバイオ燃料をつくる事業を計画していた。しかし、必要な初期投資額が大きく、計画はそのままでは進められなかった。そこで井上氏は、同じサトウキビから蒸留酒を造る道へ転じた。2008年12月、米を原料とするラオスの蒸留酒「ラオラオ」を造っていた蒸留所を取得して改造し、最初のラムを蒸留した。

だが、LAODIのラムが知られるようになるまでには時間がかかった。2014年から2015年にかけて、運営チームはいったん解散した。その後、会社は立て直され、製法とボトル、ラベルを全面的に見直して再出発している。現在のLAODIは、この再出発のあとの姿である。

アグリコールという製法

世界のラムの多くは、サトウキビから砂糖を取り出したあとに残る糖蜜を原料にしている。これに対し、サトウキビの搾り汁を発酵・蒸留して造るラムは、「ラム・アグリコール」と呼ばれる。カリブ海にあるフランス領の島々で受け継がれてきた製法である。

LAODIは、この製法を海から離れたラオスの内陸で続けている。原料は、自社農園で育てるタイ原産のサトウキビ品種UT-3(ウートン3)である。農薬を使わずに育て、乾季にあたる11月から2月に、手で1本ずつ刈り取る。なお、運営会社の正式名称(Lao Agro Organic Industries Limited)には「Organic」が含まれるが、第三者機関による有機認証は公表されていない。

畑を焼かず、一番搾りだけを使う

サトウキビの収穫では、刈る前に畑を焼いて葉を落とす方法が各地で使われてきた。この方法では、焦げ跡や灰が茎に残る。LAODIは畑を焼かず、根元から手で刈り取る。

原料をできる限りそのまま生かす考え方は、搾り方にも表れている。水を加えずに1回だけ搾り、その一番搾りの汁だけを使う。サトウキビ1トンから得られる汁は、約400リットルである。乾燥ワイン酵母を加えた汁を数日かけて発酵させ、アルコール分9%前後の発酵液にしてから蒸留する。定番のホワイトラムは、蒸留後、ステンレスタンクで1年ほど貯蔵され、その後瓶詰めされる。なお、資料によっては、貯蔵期間を2年とするものもある。

日本の焼酎の蒸留器を、ラオスへ

LAODI White Rhum 56kのラベルにある「k」は、「兜(kabuto)」を指す。ここでいう「兜」とは、日本の焼酎造りで使われてきた木製の蒸留器「兜釜」のことだ。

井上氏は、岐阜県郡上八幡でクラフトジンを造る辰巳蒸溜所を訪ねた際に、この蒸留器と出会った。そして同蒸溜所を通じて、鹿児島の芋焼酎蔵である大石酒造から設計図と製作の許諾を得た。釜1回分の容量は200リットルで、定番のホワイトラムに使うステンレス製の蒸留器とは別に運用している。アジアで造るラムを、アジアの伝統的な蒸留器で造りたい。それが、井上氏がこの蒸留器を選んだ理由である。

サトウキビの甘みと、樽熟成が生む色合い

熟成させたLAODI S.Brown Rhumの「S」は、「Sweet」を意味する。井上氏は、着色料もカラメルも加えずに、甘みのある熟成ラムを造ることを目指した。

そのためにLAODIは、アルコール分63%のホワイトラムに生のサトウキビを約6か月漬け込む。その後、フレンチオークのチップで香りを移し、バーボン樽で3年以上熟成させる。瓶の底にサトウキビ由来の沈殿物が見えることがあるのは、生のサトウキビを漬け込む工程によるものだ。LAODIは、S.Brownが2020年にロンドンで開かれた国際酒類コンクールIWSCで金賞を受賞したと発表している。

原料と工程をどう扱うかという判断

LAODIのラム造りを見渡すと、原料の選び方から製造工程まで、一つひとつに明確な方針があることが分かる。畑を焼かずに刈ること。水を加えずに搾った一番搾りの汁だけを使うこと。サトウキビ由来の甘みを生かし、樽熟成によって風味を育てること。そして、一部の商品では、日本の焼酎造りに由来する蒸留器を採用すること。

井上氏は、燃料の原料にしようと考えていたサトウキビを、ラム造りの原料として選び直した。糖蜜ではなく、サトウキビの搾り汁を使うラム・アグリコールが、メコン川のほとりでも生み出されている。その事実は、ラムという酒の多様性と、原料や製法の選択が酒造りに与える影響を考える手がかりになる。


This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Lao Agro Organic Industries Limited and the LAODI brand, and does not aim to promote or encourage the purchase or consumption of alcohol. Intended for readers aged 20 and over.

บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Lao Agro Organic Industries Limited และแบรนด์ LAODI เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้อ่านอายุ 20 ปีขึ้นไป

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