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エッフェルの技師陣が設計した蒸留室で

Combier Meridor London Dry Ginがまとう、ロワールの記憶

フランス・ロワール渓谷のソミュール。1834年創業のDistillerie Combier(コンビエ蒸留所)の扉を開けると、鉄と銅で組まれた19世紀の金属構造の蒸留室が現れる。この空間を設計したのは、パリのエッフェル塔と同じGustave Eiffel(ギュスターヴ・エッフェル)の技師陣である。1876年、フィラデルフィア万博へ向かう船上で、当時の経営を継いでいたJames Combierが、Eiffelと邂逅した。その縁から生まれたスチル・ルームの中央には、10基のアランビックが並ぶ。1848年製のEgrot社製銅製ポットスチル(500リットル)が8基、そして1901年製の大型スチル(1000リットル)が2基。これらは1世紀以上の時を経た今もなお、現役として静かに稼働を続けている。ここで現在生み出されているロンドン・ドライ・ジンが、Gin Meridor(ジン・メリドール)である。

1834年創業の家が、ジンへたどり着くまで

Combierの物語は、菓子職人のJean-Baptiste Combierと妻Joséphineが、ナント港経由で届いた天日干しのオレンジピールを蒸留した、店の奥の小さなアランビックから始まっている。透きとおったオレンジ・リキュール。これが、世界で最初の「トリプルセック」とされる酒へと育った。1852年、創業者はナポレオン3世の治世下で政治犯として投獄されるが、獄中で同じく囚われていた化学者・植物学者のRaspail博士と出会い、薬草リキュール「Élixir Combier」を共に完成させる。逆境のなかでも香りへの情熱を失わない姿勢が、ハウスの背骨としてこのとき刻まれた。

1966年、シャンパーニュの名門Bollinger家がこの蒸留所を引き受け、2001年には当時のディレクターだったFranck Choisne(フランク・ショワヌ)氏が全株を買い取って指揮を継いだ。彼は、1915年以来フランスで禁じられていた「アブサン」製造の復活のため、6年越しの法改正を主導し、2004年に解禁を勝ち取った人物でもある。アブサン復興で培った植物蒸留の技術を携えて、2年以上にわたる研究の末、「ロワール渓谷初のロンドン・ドライ・ジン」としてMeridorを世に送り出した。

8種のボタニカルを、同じ釜の中で一度だけ

Meridorの調香思想は、現代のクラフト市場で主流になりつつある「ボタニカルを十数種に増やし、ひとつずつ別々に蒸留してからブレンドする」手法とは、はっきり距離を置いている。伝統的なボタニカル(ジュニパーベリー、コリアンダーシードなど)に、ロワール渓谷で手摘みされたローズペタルとエルダーフラワーを加えた計8種の恵みを、19世紀に造られたEgrot社製の銅製ポットスチルに一度に投じ、同じ釜の中で一度だけ蒸留する。シングル・ディスティレーションと呼ばれる、クラシックな手法である。

この「引き算の美学」がもたらすのは、揮発速度の異なる花の香りと、重心の深いベースノートとが、蒸留器のなかで分子の段階から絡み合った、丸みのある香りの芯である。ドライマティーニやネグローニといった古典的なカクテルの骨格を損ねることなく、そこにフレンチ・エレガンスのひと刷毛を添える、職人向けのジンとして設計されている。1バッチあたり約360本というごく限られた生産量と、糖度0グラム/リットルという完全無加糖の姿勢。この二点は、調律の緻密さを守るための条件でもある。

Méridorという名、デュマが描いた貴婦人

「Meridor」は、ソミュール近郊ロワール河畔のモンスロー城に実在した16世紀の貴婦人、Françoise de Maridor(フランソワーズ・ド・マリドール)に由来する(実在人物の姓はMaridor、デュマの小説で用いられる表記はMéridor、そして蒸留所が商品名として採用した綴りはMeridorである)。フランスの文豪Alexandre Dumas(アレクサンドル・デュマ)が、1846年の歴史小説『La Dame de Monsoreau(モンスロー夫人)』で彼女をDiane de Méridorとして描き、気高く洗練されたヒロインの像を残した。Choisne氏は、ロワールで手摘みされたバラとエルダーフラワーの香りを通じて、その気高さを「液体の芸術」として翻訳したと語っている。テロワール、文学、そして蒸留技術が、一本の酒のなかで重ねられている。

2025年、IWSCで獲得した98点

2025年、MeridorはInternational Wine & Spirit Competition(IWSC)のContemporary Gin部門で、Gold Outstanding(98/100点)を獲得した。この評価は、同年に限られた銘柄にのみ授与されたものだった。元BeefeaterマスターディスティラーのDesmond Payne MBE氏を含む審査団が、ブラインド・テイスティングで残した評は、「軽やかで芳しく、ジュニパーとシトラスが生き生きと立ち上がる。口中ではリッチで大胆、際立つジュニパーの上に繊細なスパイスとほろ苦いベルガモットの暗示、長く温かな余韻。真に洗練されたジンである」というものだった。Combierが2016年に取得した国家認証「Entreprise du Patrimoine Vivant(生きた無形遺産企業)」と合わせて、この蒸留所の現在地を静かに裏づける客観的な証しである。

1834年の家が、二世紀近くのあいだ同じ場所で磨いてきた手仕事の、現代における答えが、この一本のなかに凝縮されている。バンコクに届く一本のMeridorの向こう側には、ロワールで手摘みされた花と、Eiffel技師陣の鉄と銅の蒸留室と、デュマが描いた貴婦人の名が、同じ重みで息づいている。


This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Distillerie Combier and the Gin Meridor brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Distillerie Combier และแบรนด์ Gin Meridor เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


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