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梅酒を一つの型にしない――うめよしが選ぶ四つの基酒


KANPAI Makers’ Choices No.07
梅酒の違いを、梅の品種や甘さだけで捉える必要はない。梅を漬ける酒が変われば、その一本が受け継ぐ基酒の原料や製法の背景も変わる。
和歌山県みなべ町の株式会社紀州本庄うめよしは、完熟梅を軸にしながら、泡盛、ブランデー、泡盛古酒(クースー)、ウイスキーを基酒として使い分けている。ここでいう「基酒」とは、梅を漬ける土台となる酒のことである。
KANPAI Thailand 2026に出展する「壱」「善」「操」「啓」は、同じ造り手による四つの梅酒である。ただし、一本の標準形から少しずつ味を変えた製品ではない。基酒と梅の扱いを商品ごとに組み替え、梅酒を一つの型に閉じ込めないという選択を示している。
完熟梅を共通の出発点にする
うめよしは、みなべ町で梅農家として始まった。1971年に「うめよし農園食品部」を設け、1986年に法人化し、2009年にリキュール製造免許を取得した。自家農園での栽培から加工、販売までを一貫して行っている。
同社が梅酒に使うのは、青梅ではなく、完熟した紀州南高梅である。「壱」では、さらに真っ赤な紀州すもも梅を組み合わせる。完熟梅という共通項を持ちながら、どの酒を基酒にし、梅をどう扱うかは商品ごとに異なる。No.07では、この選び分けに焦点を当てる。
基酒は単なる入れ物ではない
基酒の役割は、梅の成分を受け止めることだけではない。基酒そのものにも原料と製法の履歴があり、その違いは梅酒の設計条件になる。
ブランデー、泡盛、ウイスキーはいずれも蒸留酒だが、原料と造り方は同じではない。ブランデーは果実、泡盛は米と黒麹、ウイスキーは穀物を土台とする。また、同じ泡盛の系譜でも、古酒(クースー)と明記される場合は、熟成という情報も基酒の説明に加わる。基酒の名称は、梅を漬ける土台となる酒が、どのような原料や製法で造られたものかも示している。
「壱」の基酒は泡盛である。完熟南高梅と、希少な真っ赤な紀州すもも梅を氷砂糖とともにじっくり漬け込む。うめよしの公式情報では、紀州すもも梅と泡盛を組み合わせ、さっぱりとした甘さに仕立てた梅酒と説明されている。
「善」の基酒はブランデーである。ブドウなどの果実を発酵させた酒を蒸留して造るブランデーに、完熟南高梅を漬ける。この組み合わせでは、梅と基酒の双方が果実に由来する。
「操」の基酒は、沖縄の古酒(クースー)である。古酒は、熟成させた泡盛を指す。さらに、果肉を残す「あらごし」の仕立てを採用しており、基酒だけでなく、梅をどのような状態で残すかという点でも他の三商品とは異なる。
「啓」は、四商品のうちウイスキーを基酒とする一本である。うめよしの公式情報では、完熟南高梅をウイスキーに漬けた梅酒と説明されている。
四商品の基酒は、泡盛、ブランデー、泡盛古酒(クースー)、ウイスキーに分かれる。「壱」と「操」はともに泡盛の系譜にあるが、公開情報では、前者は「泡盛」、後者は「沖縄古酒クースー」を基酒とすると説明されている。四本の構成には、異なる酒類を横断する違いと、同じ泡盛の系譜に属する二つの基酒表示の違いがある。
四つの酒を同じ物差しで並べない
この四本の並びは、優劣を示す順番でも、同じ梅酒を濃淡の差で段階的に並べたものでもない。基酒が違うだけでなく、「壱」では紀州すもも梅を用い、「操」では果肉を残すなど、梅の扱いにも違いがある。
ただし、公開されている資料だけでは、それぞれの梅と基酒の正確な比率、漬け込み期間、工程全体の順序までは確認できない。なぜ特定の基酒を選んだのかについても、造り手の説明がない部分を推測で埋めるべきではない。
確かめられるのは、完熟梅を共通項としながら、基酒や梅の扱いが商品ごとに異なることである。四商品は、同じ設計を別の言葉で表したものではなく、それぞれ異なる原料構成を持つ。
上澄みを少しずつ手作業でろ過する
うめよしは公式サイトで、自社の梅酒造りについて、梅の漬け込みによって生じる「オリ」を取り除く際、加工助剤を使わず、上澄みを少しずつ手作業でろ過すると説明している。オリとは、果実などに由来する細かな沈殿物である。
公式説明では、この方法はオリを取り除きながら、梅の風味を損なわないためのものとされる。ただし、四商品の個別のろ過条件や、残す成分の基準までは公開されていない。会社全体の梅酒造りについて公開されている説明と、各商品の個別工程に関する未公開情報は、分けて捉える必要がある。
No.07が記録する「基酒を変える選択」
KANPAI Makers’ Choicesは、銘柄を並べるための記録ではない。一つの造り手が、何を選び、何を選ばなかったのかを、確認できる工程上の事実から読み解くシリーズである。
No.01からNo.06までは、精米歩合の決定、熟成期間の設定、上槽時に中汲みとして取り分ける部分の選定、原料の手入れ方法の選択、発酵原料を加える時期の調整、活性炭による調整を行わない判断など、異なる工程上の選択を扱ってきた。
No.07でうめよしについて記録するのは、梅酒の基酒を一つに固定しないという選択である。完熟梅という共通の出発点があるからこそ、泡盛、ブランデー、泡盛古酒、ウイスキーの違いが見える。さらに「壱」と「操」を並べると、前者は泡盛、後者は古酒(クースー)と説明され、梅の扱いも異なることが分かる。
梅酒という一つの名称の内側に、四つの入口がある。梅酒を一つの型にしない。その構成に、梅農家を原点とするうめよしの選択が表れている。
This article is intended solely to provide factual and cultural information about Kishu Honjo Umeyoshi and its 2026 KANPAI Thailand lineup, including its production design. It does not aim to promote or encourage the purchase or consumption of alcohol. It is intended for readers aged 20 and over.
บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อให้ข้อมูลเชิงข้อเท็จจริงและวัฒนธรรมเกี่ยวกับ Kishu Honjo Umeyoshi และผลิตภัณฑ์ที่นำเสนอในงาน KANPAI Thailand 2026 รวมถึงแนวคิดด้านการผลิตเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ บทความนี้จัดทำขึ้นสำหรับผู้อ่านอายุ 20 ปีขึ้นไป
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