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吟醸酒のバナナ香と日本酒度が示すもの

2025年の全国新酒鑑評会には吟醸酒809点が出品され、202点が金賞に選ばれた。審査を終えた後、5月28日と29日には広島県立広島産業会館で製造関係者などを対象とする試飲会が開かれた。

鑑評会の出品データに見える変化

酒類総合研究所によると、全出品酒の平均日本酒度は、1998酒造年度の+4.6、2008酒造年度の+3.5、2018酒造年度の+0.9から、2022酒造年度には−0.2へと変化した。2024酒造年度を対象とした2025年の鑑評会では、全出品酒の平均は−0.8、金賞酒の平均は−1.0だった。いずれも出品者の申告値に基づく、鑑評会の出品酒についての集計である。

日本酒度は清酒の比重を表す指標で、甘口・辛口の目安になる。味わいとして感じる甘辛には酸度も関わる。酒類総合研究所は、平均値が下がった一因として、出品酒に占める純米吟醸の割合が増えた可能性を挙げている。

吟醸香に関わる二つのエステル

酢酸イソアミルはバナナ、カプロン酸エチルはリンゴを思わせる香りに関わる。日本醸造協会が2006年に頒布を始めたきょうかい酵母1801号は、これらのエステルを多く生成する酵母とされている。香りと日本酒度は別の特性である。果実を思わせる香りだけで、日本酒度がプラスかマイナスかは分からない。

蔵元と製法の例

山形・楯の川酒造。「極限」は、山田錦を自社で元の重量の8%まで磨いて造る純米大吟醸である。

山梨・山梨銘醸(七賢)。 デュカス・パリと開発したスパークリング日本酒について、蔵元は貴醸酒の技法、国産桜材の樽、瓶内二次発酵を用いると説明している。

佐賀・天山酒造(七田)。 蔵元によると、「七田 純米吟醸 雄町50」は岡山県産雄町を使い、精米歩合50%、標準アルコール度数16%である。

和歌山・平和酒造(紀土)。「紀土 無量山 純米吟醸」は、2020年のインターナショナル・ワイン・チャレンジで純米吟醸トロフィーとチャンピオン・サケを受賞した。

資料:2025年鑑評会の概要、酒類総合研究所の出品酒分析(表6)、国税庁の清酒成分資料、日本醸造協会の酵母資料。


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