
米から麦芽へ – 同じ水がつなぐ日本酒とビール、HEIWA CRAFT Pale Ale
The Sake Staircase, Episode 9 | Step 5: Craft Beer
同じ水から始まる二つの醸造
日本酒は米から、ビールは麦芽とホップから生まれる。一見すると別の世界に見えるが、和歌山県海南市の平和酒造では、どちらの仕事も同じ地下水から始まる.
仕込み水は、高野山を源流とする貴志川の伏流水。日本酒の核であると同時に、HEIWA CRAFTのビールを支える水でもある。場所の記憶が、二つの酒造りを静かにつないでいる.
でんぷんを糖に変える、異なる道筋
酵母は糖をアルコールに変えるが、米や麦芽の主成分であるでんぷんをそのまま扱うことはできない。日本酒では、蒸米に育てた麹の酵素がでんぷんを糖に分解し、同じもろみの中で酵母が発酵を進める。これが並行複発酵だ.
ビールでは、糖化工程で麦芽の酵素がでんぷんを発酵可能な糖へ変え、その後に酵母が麦汁を発酵させる。ホップは香りと苦味を与える。工程は違っても、でんぷんが糖になり、糖が発酵するという原理は共通している.
共有されるのは、発酵を整える技術
平和酒造は日本酒「紀土」や「鶴梅」で知られるが、長年の酒造りで培った微生物管理、温度管理、衛生管理の知見は、クラフトビールの基盤にもなっている.
日本酒の技術をそのままビールへ移すわけではない。それでも、発酵環境を丁寧に整えるという考え方は両者を貫く。そして毎回の仕込みは、同じ水から始まる.
一人の関心が、蔵の新しい章になった
HEIWA CRAFTの物語には、高木加奈子さんの存在がある。2011年に平和酒造へ入り、クラフトビールへの関心を持っていた彼女は、蔵がビール造りを探る際にその中心を担うことになった.
平和酒造は2014年にビール製造免許を取得し、2016年にHEIWA CRAFTを始動した。高木さんの関心と、蔵に蓄積された発酵の知恵が交わることで、新しい仕事が形になった.
クラシックなPale Aleが見せるもの
HEIWA CRAFT Pale Aleは、麦芽とホップを軸に組み立てたクラシックなペールエールだ。香辛料や果実などに頼らないからこそ、麦芽、ホップ、水という基本要素と、その関係が見えやすい.
The Sake Staircaseでは、Step 1で日本酒を、Step 5でクラフトスピリッツとビールを扱う。この一本は、米と麹、麦芽とホップが別の道筋をたどりながらも、水と発酵管理という共通の土台に立っていることを示している.
本記事は、HEIWA CRAFT Pale Aleおよび平和酒造の醸造文化に関する事実と知識を紹介するものであり、酒類の広告、購入促進、飲酒推奨を目的とするものではありません。20歳以上の読者を対象としています。
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