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タイの大地から沖縄へ、そしてバンコクへ ── 今帰仁酒造「千年の響」が語る泡盛の循環


タイの大地から沖縄へ、そしてバンコクへ ── 今帰仁酒造「千年の響」が語る泡盛の循環
まず、原料の来歴から見ていく。
今帰仁酒造(沖縄県今帰仁村・1948年創業)の泡盛「千年の響」に使われる米は、タイ産だ。日本酒が国産米を、[[焼酎|本格焼酎]]が麦や芋を主原料にするのとは異なり、泡盛の多くは東南アジア産の長粒米(インディカ種)を使う。これは単なる調達の話ではない。泡盛の蒸留文化そのものが、15世紀の琉球王国と東南アジアの交易から生まれたためだ。タイで育った米が沖縄で黒麹と出会い、樽や甕で時間をかけて熟成し、再びバンコクへ届く。この循環を、最初に確認しておきたい。
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世界遺産の麓に蔵を構える
蔵を構えるのは、2000年に世界遺産登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産である「今帰仁城跡(なきじんじょうあと)」の麓だ。今帰仁村唯一の酒造所として、地域の蒸留文化を一手に引き受ける存在である。
泡盛に欠かせないのが、沖縄固有の黒[[麹|麹菌]](アスペルギルス・アワモリ)だ。クエン酸を多量に生成するこの麹菌は、高温多湿な気候での発酵を安定させる。[[焼酎]]が白麹・黒麹・黄麹を使い分けるのに対し、泡盛では黒麹菌を用いることが基本とされる。この製法上の基盤が、泡盛固有の酒質を支えている。
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43度が示す熟成の輪郭
「千年の響」は、黒麹で仕込んだもろみを単式蒸留し、長い時間をかけて熟成させる、アルコール度数43度の泡盛だ。一般に、泡盛のうち3年以上熟成を経たものは古酒(クース)と呼ばれ、熟成とともにアルコールの刺激が和らぎ、香りに奥行きが生まれる。43度という度数は、その熟成が生んだ香味の層を、輪郭をぼかすことなく伝える。
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複数の評価が示す一貫性
「千年の響」の評価は、複数の品評会にまたがっている。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)では3年連続で最高金賞または金賞を獲得し、「殿堂入り」銘柄に選ばれた。2022年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)では金賞を獲得した。モンドセレクションでは2009年から2014年にかけて6年連続で最高金賞を受賞した。系統の異なる品評会で実績が積み上がっている点からは、単発の入賞にとどまらない、継続的な評価が読み取れる。なお、2019年のG20大阪サミット要人レセプションで「千年の響」が提供されたという記録は、蔵元の発表によるものだ。
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泡盛が別の酒のベースになるとき
泡盛の価値は、単独の蒸留酒としての魅力にとどまらない。泡盛をベーススピリッツに選ぶリキュールが、近年いくつも生まれている。
和歌山県みなべ町の紀州本庄うめよしがつくる「操(MISAO)」は、その一例だ。完熟南高梅の果肉感を残した「あらごし梅酒」だが、ベースに沖縄県産の泡盛古酒を採用している。多くの梅酒がクセの少ない甲類焼酎を使うのに対し、泡盛古酒を選んだことで、熟成由来のバニリン(バニラのような甘い香り成分)と完熟梅のラクトン系の香りが重なる。一般に、泡盛の主原料にはタイ産米が多く用いられる。この梅酒の中にも、タイの米が沖縄を経て和歌山の梅と出会う、もうひとつの循環がある。
「KOKUTO DE LEQUIO(コクトウ・デ・レキオ)」は、黒糖と泡盛を組み合わせた黒糖リキュールだ。那覇の瑞穂酒造(1848年創業)、後閑信吾氏が率いるSG Group、OneSpiritの3者が共同開発した。「レキオ」は、大航海時代にスペインやポルトガルの人々が琉球を呼んだ呼称に由来する。さくら酵母(沖縄の桜から採取した酵母)で仕込んだ泡盛に少量の黒糖ラムを合わせ、西表島と与那国島の含蜜黒糖を溶かし込む。
これらに使われている泡盛は、今帰仁酒造の「千年の響」そのものではない(「操」は沖縄県産の泡盛古酒を、「KOKUTO DE LEQUIO」は瑞穂酒造の泡盛を用いている)。それでも、泡盛がリキュールのベースに選ばれる例が出てきていることは、「千年の響」のような熟成泡盛が持つ可能性を間接的に裏づけている。
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2026年の市場と、バンコクという文脈
泡盛カテゴリー全体でも、2026年に入り、輸出を意識した動きが見え始めている。同年3月には「Zanpa」「Uminokuni」というブランドがシンガポール市場に参入した。世界の泡盛市場規模は2025年時点で約18億ドルと推計され、2034年には32億ドルへの成長が見込まれている。
バンコク市場がこの流れと接続するとき、「千年の響」が持つタイ産米という事実は、単なる商品説明の一項目ではなくなる。タイで育った米が沖縄で泡盛になり、再びバンコクへ届く。「輸入する」だけでなく「還ってくる」とも語れる商材は、日本産蒸留酒の中で多くない。泡盛が「次に注目される日本の蒸留酒」として語られる文脈に、この循環の物語を持つ一銘柄として「千年の響」がある。
This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Nakijin Shuzo and the SENNEN NO HIBIKI brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ Nakijin Shuzo และแบรนด์ SENNEN NO HIBIKI เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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