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グラスの形は、酒より遅れて変わる—シャンパーニュのクープとフルート

1874年、フランスのシャンパーニュ地方でポメリー社を率いていたルイーズ・ポメリー夫人は、ロンドンの市場に向けて、糖分を大きく減らしたシャンパーニュを手がけた。これが、のちに「ブリュット(Brut)」と呼ばれる辛口の始まりとされる。当時のシャンパーニュは甘口が主流で、辛口は例外だった。

甘口の時代には、口の広いクープが使われていた

シャンパーニュは、瓶の中で二度目の発酵をさせて泡を生む。発酵で出た澱(おり)を取り除いたあと、必要に応じて糖分を含むリキュールを加える。この工程をドサージュという。甘口か辛口かの区分は、出来上がったワインに含まれる糖分の量で決まる。

19世紀のシャンパーニュは、輸出先の市場によって甘さが異なり、1リットルあたり100gから300gの糖分を含むものもあったとされる。現行の欧州の規則では、糖分の量によって七つに区分されている。ブリュットは1リットルあたり12g未満、最も甘い区分の「ドゥー(Doux)」は50g超と定められている。19世紀の甘口は、現行の区分で最も甘いドゥーの下限を大きく上回っていたことになる。

19世紀に使われたグラスの一つが、口が広く背の低い「クープ」である。クープは、フランス王妃マリー・アントワネットの胸をかたどったという逸話で知られる。ただし、クープが1663年ごろにイギリスで作られたという説に従えば、1755年生まれの王妃とは年代が合わない。王妃の胸をかたどったとされる磁器の器は別に伝わっているが、それは乳を飲むための器で、シャンパーニュのグラスではない。

辛口が広まったあとも、クープは使われ続けた

ポメリー夫人の辛口は、甘さを抑えた味を好むイギリスの市場で受け入れられ、20世紀には辛口がシャンパーニュの主流になった。

20世紀に広まったのが、細長い「フルート」である。グラスの底から一筋に連なって立ち昇る泡は、フランス語で「ペルラージュ」と呼ばれ、真珠の首飾りにたとえられる。フルートは背が高く、泡の立ち昇る距離が長くなる。泡を見せるための形である。

ただし、辛口の登場とグラスの交代は、同時に起きたわけではない。辛口が広まったあとも、クープは20世紀に入って使われ続けた。

泡だけでなく、香りにも目が向けられている

日本のワインジャーナリストが2026年に刊行した著書によれば、シャンパーニュを出すときにフルートを使わず、少し大ぶりのチューリップ型のグラスや白ワイン用のグラスを選ぶレストランが増えている。チューリップ型は、胴がふくらみ、口に向かってすぼまる形をしている。熟成期間の長いシャンパーニュの複雑な香りは、細すぎるグラスでは広がりにくい、というのがその理由である。

甘さ、泡、香り。シャンパーニュの何に目が向けられるかは、時代によって移ってきた。グラスの形は、その移り変わりを映している。

日本酒でも、吟醸酒の香りに着目して、ワイングラスを使う例がある。

1874年にポメリー夫人が減らしたのは、糖分だった。クープは、そのあとの20世紀にも使われ続けた。酒の変化とグラスの交代は、同じ速さでは進まなかった。


This article is intended solely to explore the winemaking artistry and cultural heritage of Champagne and its glassware, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับศิลปะการทำไวน์และมรดกทางวัฒนธรรมของแชมเปญและแก้วที่ใช้เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


“なぜ、あの器はあの形をしているのか” / “同じ設計、異なる時間──ブルーノ・パイヤール「Cuvée 72」が72カ月を名に冠した理由” / “Champagne! 1.”


BRUNO PAILLARD Cuvée 72 M.V.

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