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5つの柑橘が重なるとき

広島・桜尾蒸留所のジンが描くテロワール

広島県はレモンの生産量が日本一である。

この事実を知っている人は、意外と少ない。瀬戸内海に面した温暖な丘陵地帯に、レモン、ネーブル、夏ミカン、柚子、橙が育つ。1本の木には1種類ずつ実る。それぞれが異なる酸味と香りを持ち、異なる季節に収穫される。この5つの柑橘を、たった1本のボトルに封じ込めたジンがある。

This illustration supplements the product information and is not a photograph of the actual product. Details such as the bottle’s shape, colour and label may differ from the actual product. This page is provided for informational purposes only and is not intended to encourage the purchase or consumption of alcoholic beverages.

SAKURAO GIN ORIGINAL。広島県廿日市市桜尾の蒸留所から、2018年に世界へ送り出された純国産クラフトジンだ。

100年の歴史を持つ酒造メーカーが、初めてジンを蒸留した日

造り手は、株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー。1918年、大正7年に創業した老舗の酒造メーカーである。もともとは日本酒や焼酎、ウイスキーを手がけてきた蔵で、蒸留技術には、1920年のウイスキー免許取得以来、100年以上の蓄積がある。

ただ、ジンだけは造ったことがなかった。

創業100周年を迎えた2018年、蔵は新たに桜尾蒸留所を立ち上げ、ドイツのアーノルド・ホルスタイン社からカスタムメイドの銅製ハイブリッドスチルを導入した。「広島の風土を蒸留する」という明確なビジョンのもと、初めてのジンが生まれた。

そしてこの初陣で、LAISC(ロサンゼルス国際スピリッツコンペティション)の「Best of Gin」を獲得した。日本産ジンとして初の快挙だった。

ジュニパーの向こう側にある、9つの広島

ジンの定義はシンプルだ。ジュニパーベリーを主たる香味とする蒸留酒である。ただ、SAKURAO GIN ORIGINALがユニークなのは、ジュニパーの骨格を保ちながら、その向こう側に広島のテロワールを重ねているところにある。

14種のボタニカルのうち、9種が広島県内から調達される。中心を成すのが冒頭で触れた5種の柑橘だ。グリーンレモンの鮮烈なフレッシュ感、ネーブルの甘みと酸味、夏ミカンの引き締まった苦味、青柚子の強い芳香、橙の複雑さ。これらが、単一のレモンやライムでは到達し得ない、幾層もの柑橘のグラデーションを形成している。

さらに、ヒノキの樹皮がもたらす穏やかな木の香り、府中市産の緑茶のフレッシュなトップノート、山県郡産の赤紫蘇がフィニッシュに添える鮮烈なアクセント、三次市産の高原生姜のクリスプな辛味。瀬戸内の海と中国山地に挟まれた土地の記憶が、液体の中に閉じ込められている。

蒸留方法もこのボタニカル構成に対応している。ジュニパーや柑橘の果皮のように力強い素材はベーススピリッツに直接浸漬し(スティーピング)、緑茶や赤紫蘇のように繊細な素材は蒸気で香りだけを抽出する(ヴェイパー)。この二つの方式を、一つの蒸留プロセスの中で同時に成立させている。重厚さと軽やかさが矛盾なく共存する理由が、ここにある。

静かに積み上がった評価

2018年のLAISC Best of Ginを皮切りに、IWSC Gold Outstanding(2018年)、サンフランシスコ・ワールドスピリッツコンペティション Double Gold(2019年)、TWSC最高金賞(2022年)と、世界の主要品評会で高い評価が続いた。

専門メディアのレビューも興味深い。米国のジン専門サイト「The Gin Is In」は「近年テイスティングしたジンの中でも特に長いフィニッシュ」と評し、日本のTWSC運営委員は「新鮮な生姜を厚切りにしてオレンジに乗せて噛み砕いたかのような鮮烈なスタート」と描写した。柑橘の華やかさだけではない、生姜やヒノキが奥行きを作る構造が、テイスターたちの言葉にも表れている。

逆風の中で伸びるカテゴリー

2025年、世界のスピリッツ市場は減速した。ジンも例外ではない。コロナ禍で急伸したジン人気は一段落し、多くの市場で売上が鈍化した。

ただ、日本産ジンだけは違った。日本洋酒酒造組合のデータによれば、2025年の日本産ジンの輸出額は前年比104%増の82億円に達した。世界市場が減速する中で、輸出額が倍増したカテゴリーは異例である。

英国の酒類専門メディア「The Drinks Business」は2026年4月、この現象を取り上げた。記事の中で、ロンドンの蒸留酒ディストリビューターは日本産ジンを「文化の架け橋(cultural bridge)」と表現し、「ジンのサブカテゴリーではなく、バックバーの定番になる」と予測した。消費者がジンを選ぶとき、「小規模生産で、地元の素材を使い、独自のフレーバーを持つブランド」を求める傾向が強まっているという市場調査の結果も紹介されている。

小規模生産、地元素材、独自の風味。この三つの条件を見ると、広島県産9種のボタニカルで構成されたSAKURAO GIN ORIGINALは、まさに世界の消費者が求めている像と重なる。

「テロワール・ジン」という新しい地図

ワインの世界では、畑の土壌や気候がワインの個性を決める「テロワール」という概念が当たり前に語られる。ジンの世界では、まだそこまで一般的な概念ではない。

ただ、広島県という単一の県から9種ものボタニカルを調達し、その土地の柑橘と山の植物と水の記憶を1本に集約するSAKURAO GIN ORIGINALの存在は、「テロワール・ジン」という言葉に具体的な手触りを与えている。日本産ジンの輸出額が倍増し、世界のバーテンダーがG&Tの枠を超えてカクテルに使い始めている今、100年の蒸留技術が描いた広島の風土の地図は、かつてないほど多くの人の手に届くところまで来ている。


This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of SAKURAO Brewery and Distillery and the SAKURAO GIN ORIGINAL brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของ SAKURAO Brewery and Distillery และแบรนด์ SAKURAO GIN ORIGINAL เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ

商品情報: 桜尾 ジン オリジナル


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