
常徳屋 道中
焙煎した宇佐産はだか麦を、もう一度醪へ。二次仕込みに加え、二年の時間をかけて、立ち上がりの焦がし香を奥行きのある香ばしさへと整える本格麦焼酎です。
焙煎麦を、醪へ還す
常徳屋は宇佐産のはだか麦をゆっくり焙煎し、香りづけとして後から加えるのではなく、二次仕込みの醪へ投入します。常圧蒸留の後、二年をかけて寝かせることで、蒸留直後の強い焦がし香が落ち着き、焙煎麦の香りが穏やかに開いていきます。
ALL USA、麦も水も宇佐から
原料は宇佐平野のはだか麦、仕込み水は同じ土地の地下水。ここでいう「USA」は米国の略称ではなく、蔵のある大分県宇佐市のローマ字表記です。麦、水、蒸留、瓶詰までが宇佐へと戻る、明快な土地の設計があります。
燻製ではなく、焙煎の深さ
商品名に「薫蒸」という語を持ちますが、確認できるのは焙煎麦による香味づくりであり、独立した燻製工程ではありません。麦茶、トースト、カカオ、コーヒー、ナッツを思わせる香ばしさと、きれいなほろ苦さ。その方向性を、この酒の個性として伝えます。
香ばしさの、もう一つの重ね方
ここに挙げる組み合わせは、蔵元が公式に示したものではなく、本ページに記録された香りの特徴から読み取った一例です。
以下の書籍を参考に、ペアリングの考え方を整理しました。『フードペアリングの科学』は、加熱によるロースト香の系統がコーヒーやナッツ、カカオといった食材と共通する香りの手がかりを持つと説明しています。常徳屋 道中の焙煎麦が生む香ばしさは、この系統に沿って考えると、同じ香ばしさを持つ料理や食材と方向を揃えやすいといえます。『ロジカルペアリング』が焼酎について述べる「料理に干渉せず香りで支える」という性質も、二次仕込みに焙煎麦を投入するこの酒の香ばしさを、料理の香りに寄り添わせる形で活かせる考え方です。
大分・宇佐で始まった、もう一つの創業
常徳屋酒造場は1907年、大分県宇佐市で清酒蔵として創業しました。2003年、中園誠氏が小さなチームとともに「常徳屋」を再始動。酒造りに不向きとされることもあった六条大麦、すなわちはだか麦を蔵の核に据え、宇佐の麦焼酎を描き直しています。
