日本の蒸留酒
焼酎と泡盛を、根拠から読む
455件の製造者・製造場、代表銘柄、原料、地域文化を一次情報から結ぶためのガイドです。
全体像
地域ごとに異なる、日本の単式蒸留酒
焼酎は米、麦、芋、黒糖、酒粕、そばなど多様な原料から造られます。泡盛は沖縄の歴史と黒麹による米麹の技術を軸に発展しました。このガイドは、製造者、代表銘柄、原料、産地を同じ正本データで結びます。
現在版は全国団体379件を基点に、鹿児島・宮崎・球磨・壱岐・沖縄の地域団体235件を照合し、地域のみ29件と公式商品情報47件を追補した455件です。追補には、日本酒蔵が現行商品として公式掲載する焼酎も含みます。免許名だけで商品を確認できない14候補は公開一覧に加えていません。
酒税法上の「焼酎」の区分
酒税法は焼酎を蒸留方法で2つに分けています。連続式蒸留焼酎は連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満。単式蒸留焼酎は連続式蒸留機以外の蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下です。本ガイドが扱う本格焼酎と泡盛は、いずれも単式蒸留焼酎に含まれます。
この区分は蒸留方法とアルコール分に関するものです。同じ「単式蒸留焼酎」の中に、原料も製法も産地も大きく異なるものが含まれます。
地理的表示のある焼酎・泡盛
蒸留酒を対象とする国税庁の地理的表示は5件あり、すべて焼酎・泡盛です(2026年7月31日時点)。
| 名称 | 産地の範囲 | 指定日 |
|---|---|---|
| 壱岐 | 長崎県壱岐市 | 1995年6月30日 |
| 球磨 | 熊本県球磨郡及び人吉市 | 1995年6月30日 |
| 琉球 | 沖縄県 | 1995年6月30日 |
| 薩摩 | 鹿児島県(奄美市及び大島郡を除く) | 2005年12月22日 |
| 東京島酒 | 東京都大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村 | 2024年3月13日 |
壱岐・球磨・琉球の3件は、日本の酒類で最初に指定された地理的表示です。東京島酒は2024年に加わりました。
同じ都道府県に所在することと、その地理的表示の生産基準を満たすことは同じではありません。各指定には産地の範囲と生産基準が個別に定められています。
「琉球」の生産基準が定めていること、定めていないこと
地理的表示「琉球」(泡盛)の生産基準は、次の要件を定めています。
- 米こうじは Aspergillus luchuensis に属する黒こうじ菌の生育した米こうじのみを用いること
- 水は沖縄県内で採水した水のみを用いること
- 沖縄県内で原料の発酵及び蒸留が行われていること
- 米こうじ及び水を原料として発酵させたもろみを、単式蒸留機で蒸留したものであること
- 貯蔵する場合は沖縄県内で行い、容器詰めも沖縄県内で行うこと
4つ目の要件が、泡盛の全麹仕込みを法的に表現した部分です。米こうじと水だけをもろみの原料とし、掛米を後から加えません。
一方で、この生産基準は原料米の産地や品種を定めていません。泡盛とタイ米を結びつける説明は広く流通していますが、それは業界の実務・歴史的経緯であって、地理的表示の要件ではありません。本ガイドでは両者を区別して扱います。
公式統計と本ディレクトリの違い
国税庁「酒のしおり」(令和7年7月版)統計表14によれば、令和5年度の単式蒸留焼酎の製造免許場数は353場(本書き)、ほかに他の品目を主とする免許場のうち単式蒸留焼酎免許を併せ持つものが495場(外書き)です。
本ガイドのディレクトリ455件は、これとは別の数え方です。免許場単位の行政統計ではなく、製造者と代表銘柄を公開一次情報から編集した記録です。両者を同じ数字として扱わないでください。
編集上の開示
Bacchus Globalは酒類業界の事業者です。本ガイドは、ランキングや購入案内ではなく、出典を確認できる情報資料として制作しています。価格、在庫、割引、購入方法は掲載しません。
