Blog
「プレミアム化」は値段の話か|タイの酒類市場を「機会」から読み直す

タイの酒類市場の動きは、ビールが伸びた、ウイスキーが縮んだというように、カテゴリーごとの増減で語られることが多い。売上の表も、たいていはカテゴリー別に列が並んでいる。
その数字の読み方を揺さぶる分析が、2026年8月に出た。酒類市場を調べる海外の調査会社が、世界の酒類の「プレミアム化」を定義し直したのである。
値段の上昇は、プレミアム化の証拠だったのか
同社によると、2022年以降、世界の酒類の1リットルあたりの価格の伸びは、インフレ率を下回り続けてきた。2025年は、価格の伸びが1%だったのに対し、インフレ率は4%だった。物価が4%上がるなかで値段が1%しか上がらなければ、物価を差し引いた実質では、値段はむしろ下がったことになる。売上金額の伸びだけを見ても、物価の影響と、数量や商品構成の変化とは切り分けられない。高い商品へ移ったから金額が伸びた、とは言い切れないということだ。
そのうえで同社は、プレミアム化の中身を、価格ではなく三つの要素に置き直した。人とのつながりを感じられる意味のある機会、心を動かす選び抜かれた場面、そして納得できる理由のある品質の向上である。値札が上がることではなく、選ぶ理由を説明できること。プレミアムという言葉の重心が、そこへ移っているという見方だ。
タイの数字を「機会」の目で見る
この見方で、タイの市場を振り返ってみる。同じ調査会社が2025年10月に出したタイの分析では、地元ブランドのビールが根強い一方で、輸入ビールは後退し、輸入ウイスキーも縮小していた。ブレンデッドウイスキーには、流行から外れつつある兆しが見えるという。反対に、輸入スティルワインは2024年に3%伸び、同じ年の税負担の軽減も背景の一つに挙げられている。テキーラ、ラム、ウォッカ、ジンといった蒸留酒は、カクテルバーの広がりとともに存在感を増している。分析は、観光と、ホテルやレストランなど業務用市場の厚みにも触れている。
これをカテゴリーの勝ち負けとして読むと、「ワインとカクテル向けの蒸留酒を増やせばよい」という結論になりやすい。しかし、注文する側から見ると、別の姿が見えてくる。カクテルの材料として発注される蒸留酒と、贈答用に選ばれるワインとでは、同じ「伸びているカテゴリー」でも、消費される「機会」、つまり発注する側から見た「用途」が異なり、求められる条件も違ってくるはずだ。
注文には、それぞれの用途がある
たとえば個人の贈答用なら、箱の有無や保管のしやすさ、産地や造り手を短く説明できる資料が問われるかもしれない。法人のギフトや催事なら、受賞歴や原産地のように、受け取る側が確かめられる情報が判断材料になりそうだ。ホテルやレストランなどの飲食店がカクテル用に仕入れる場合は、レシピに組み込みやすい度数や容量、途切れない供給のほうが先に問われるだろう。実際に何が重視されているかは、取引先に聞いて確かめるほかない。
同じ一本でも、どの用途の注文かによって、評価される点が入れ替わる。品揃えを用途別に見直すとは、銘柄の数を増やすことではない。用途ごとに、どの情報や仕様、供給の条件を整えるかを決めることである。
「何のための注文か」を記録に残す
では、自分たちの市場で起きているのは、カテゴリーの変化なのか、用途の変化なのか。それを確かめる手がかりは、海外の分析よりも手元の記録にある。
まず、売上金額の伸びを、同じ期間の物価の上昇と並べてみる。物価を差し引いても伸びが残るかどうかで、値段の影響を一度外して見ることができる。
次に、カテゴリー別の売上表には残らない「注文の理由」を記録してみる。注文の記録に「個人の贈答」「法人ギフト・催事」「飲食店の仕入れ」といった用途の欄を一つ足すのだ。区分は細かくなくてよい。三つ程度でも、担当者が迷わず記入できることのほうが大切だ。数か月続ければ、どのカテゴリーがどの用途で、件数と数量のどちらが動いたのかが見えてくる。ワインの伸びが贈答の注文によるものか、飲食店の仕入れによるものかで、次に揃えるべきものは変わるはずだ。
海外の調査が示したのは、プレミアム化を値段だけで測る見方が見直されつつある、という一つの視点である。それがバンコクにも当てはまるかどうかは、自分たちの注文の記録が答えてくれる。
This article is intended solely to explore market trends and purchasing structures in the Thai beverage market, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol.
บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับแนวโน้มตลาดและโครงสร้างการสั่งซื้อในตลาดเครื่องดื่มของประเทศไทยเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
Discover the culture behind every bottle
We share brewery stories, tasting notes and the craft of koji & fermentation — for educational and cultural purposes only.
เราถ่ายทอดเรื่องราวจากผู้ผลิต บันทึกรสชาติ และศาสตร์แห่งโคจิและการหมัก — เพื่อการศึกษาและวัฒนธรรมเท่านั้น
Follow on Instagram Facebook