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輸入量は横ばい、輸入額は13.71%増|タイのワイン輸入統計をどう読むか

2026年上半期、タイのワイン輸入量は前年同期とほぼ同じだった。それでも、輸入額は1割以上増えている。
2026年8月、アジアのワイン業界を扱う専門メディア『Vino Joy News』が、アジア9市場のワイン輸入動向をまとめた。タイの2026年1〜6月(上半期)の輸入量は約992万リットルで、前年同期比0.15%減とほぼ横ばいである。一方、輸入額は24億6千万バーツで、13.71%増えた。
輸入量と輸入額の増減率の違いは、何を映しているのか。この統計から分かることと、別の資料で検証する必要があることを分けながら見ていく。
減ったのはスパークリング、伸びたのはスティル
同じ記事は、この違いの中身にも触れている。輸入量を押し下げた主な要因は、スパークリングワインの輸入減だった。泡のないスティルワインは、輸入量と輸入額の両方が増え、輸入額の伸びが輸入量の伸びを上回った。
輸入量の合計だけを見ると、種類ごとの増減は見えてこない。種類ごとに分けると、それぞれの輸入量の増減が、全体としてほぼ相殺されていたことが分かる。記事はこの動きを、より付加価値の高いワインへの需要が底堅いことの表れと読んでいる。
税制改革後の輸入動向をどう見るか
タイのワイン市場を語るとき、よく挙がるのが2024年2月の税制改革である。ワインの輸入関税が撤廃され、物品税も引き下げられた。この改革については、2026年7月の記事「ワイン関税0%から2年」で詳しく取り上げた。
オーストラリアのワイン業界団体Wine Australiaが7月に出した市場報告『Market Bulletin』も、2025年のワイン消費の伸びは、輸入ワインの税負担を大幅に軽減したこの改革に一部起因すると記している。
ただし、今回比べている2025年上半期と2026年上半期は、どちらも改革の後の期間である。そのため、2026年上半期の輸入額の増加を、税制改革だけで説明することは難しい。改革の影響だけでなく、輸入されるワインの種類や構成の変化にも目を向けると、動向を整理しやすい。
IWSRのデータで見る10年間の変化
同じ市場報告は、酒類市場の調査会社IWSRのデータも紹介している。IWSRは2025年、タイを世界で16番目に魅力的なワイン市場と評価した。消費量は2016年の100万ケース強から、2025年には約180万ケース(1ケース=9リットル換算)へ増えた。同じ期間に、市場規模も約3億米ドルから5億米ドル超へ拡大し、2029年には6億米ドルを超えると予測されている。
数量ベースでは、市場の80%を日常消費向けのワイン(原資料ではcommercial wine)が占め、残る20%がプレミアムワインである。2020年以降は、プレミアムワインの伸びが、日常消費向けワインの伸びを大きく上回ってきたという。輸入量がほぼ横ばいだった一方、輸入額が増加した2026年上半期の統計は、この見方と同じ方向を向いている。
ただし、輸入額は、価格帯の構成の変化だけでなく、為替や個々の商品の価格の動きによっても増減する。輸入額の増加には、上位の価格帯への需要増と、それ以外の要因の両方が含まれうる。プレミアム化の度合いを確かめるには、種類別や供給国別の統計に加え、価格帯別の構成や平均輸入単価の変化も確認する必要がある。
供給国の順位も、数量と金額のどちらを基準にするかで変わる。報告によれば、オーストラリアは数量で首位だが、金額ではフランスに次ぐ2位である。
数字を読むときの手がかり
輸入統計を読むときは、いくつかの条件も併せて見ておきたい。輸入額はバーツ建てで、為替の動きにも左右される。また、輸入された時期と、飲食店での提供や小売店での販売の時期には、ずれがある。半年分の数字は傾向をつかむ手がかりとして使い、年間の数字や次の半期の数字と照らし合わせることで、傾向をより確かに捉えられる。
市場報告にある「16位」は評価であり、「2029年に6億米ドル超」は予測である。どちらも、すでに起きた実績とは性格が違う。実績、評価、予測を分けて読むと、それぞれの数字の重みを正しくつかめる。
日本酒やワインを輸入するバッカスグローバルにとっても、全体の合計だけでなく、種類ごとの内訳や比較する期間にも目を向けることが、市場を読む基本になる。輸入量が横ばいに見える時期にも、輸入されるワインの構成は変わりうる。今回の統計は、そのことを具体的な数字で示している。
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This article presents publicly available market data on wine imports in Thailand. It is not intended to advertise alcoholic beverages or encourage their purchase or consumption. For readers aged 20 and above. Never drink and drive.
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