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甘酒は冬の飲み物か|季節の行事から一年中の棚へ、そして濁りのない一本へ

甘酒と聞くと、初詣の境内や雛祭りを思い浮かべる人が多いだろう。しかし俳句の世界で、甘酒は夏の季語である。江戸の町では、暑い季節に甘酒売りが通りを歩いていた。冬の行事の飲み物という印象は、長い歴史から見ればむしろ新しい。
その甘酒が、いま再び季節の枠を越えはじめている。日本のある調査会社の推計として報じられたところでは、2025年の国内の甘酒の売上はおよそ147億円。注目したいのは規模よりも売れ方の形で、冬から初春に集中していた売上の山に、夏の山が加わってきた。
二つの甘酒を分ける
この変化を理解するには、まず甘酒が二種類あることを押さえておきたい。
一つは「酒粕甘酒」。日本酒を搾ったあとに残る酒粕を湯に溶き、砂糖などで甘みを加えたものだ。酒粕にはアルコール分が残るため、製品や配合によっては、酒粕甘酒にもアルコールが含まれることがある。
もう一つは「米麹甘酒」。米麹は、蒸米に麹菌を繁殖させたものである。蒸米と米麹を合わせて温かく保つと、麹菌がつくった酵素が米のでんぷんを糖に変える。甘みは砂糖ではなく、この糖化から生まれる。この工程では酵母によるアルコール発酵を行わないため、アルコールは生まれない。この記事で取り上げる通年化と海外展開の事例も、米麹甘酒が中心である。
冬の山に、夏の山が加わった
米麹甘酒が改めて注目されたのは2010年代のことだ。塩麹をはじめ、麹を使った調味料が家庭の台所に広まり、「麹とは何か」という関心が高まった。甘酒もその流れの中で見直され、2017年には市場が数年前のおよそ4倍に膨らんだと報じられている。
やがて、冷やして口にする習慣が広がった。温めて飲む冬の行事のもの、という前提が外れると、甘酒は夏にも売れるようになる。売上は冬と夏の二つの時期に山をつくるようになった。夏の季語だった甘酒が、夏へ戻ってきたとも言える。
行事食ではなく、麹の飲み物として
この動きは国内にとどまらない。新潟のある酒蔵の米麹甘酒は、ニューヨークの食料品店の棚に入り、店頭で紹介された。宇都宮の大学から生まれたある会社は、黒ごまとしょうがの風味を加えた米麹甘酒を米国へ送り出し、シリコンバレーのスーパーマーケットに並べている。
どちらの例でも、甘酒は日本の年中行事から切り離され、麹の働きから生まれる飲み物として海外の棚に置かれている。味噌や醤油が、料理の素材として海外の台所に入っていった道筋と重なる。
濁りを手放した甘酒|KOJI CLEAR
麹の飲み物という捉え方を、見た目にまで押し広げた例がある。秋田県大仙市の株式会社エスが手がけるKOJI CLEAR(コージクリア)だ。
甘酒は白く濁っているもの、という前提がある。KOJI CLEARは水のように透明である。株式会社エスの代表は、秋田の酒屋の家に生まれ、宇宙開発の企業を経て2020年に故郷へ戻った。国内の日本酒の消費量が減っていくなかで、酒そのものではなく、酒づくりを支えてきた麹を、酒ではない飲み物として残す道を選んだ。
原料は米麹・米・水の三つだけで、砂糖も保存料も加えていない。使う米麹は二種類。秋田県が特許を持つ「あめこうじ(黄麹)」と、焼酎づくりに使われる「白麹」を組み合わせている。白麹の麹菌がつくるクエン酸が、甘みに酸味を添える。製造は地元の酒造会社が担い、米を糖化した液を濾過して透明に仕上げる。同社は、この製法で特許を取得したとしている。
アルコールを含まないKOJI CLEARは、酒類ではなく清涼飲料水に区分される。英国のヴィーガン協会による認証も、2022年に取得した。

バンコクで甘酒を説明するとき
バンコクの飲食の現場では、アルコールを選ばない来店客に向けた飲み物の幅が問われるようになっている。そのとき甘酒は、「日本の甘い飲み物」と一言で済ませるには、区別すべき点が多い。
一つ目は原料で、酒粕からつくるのか、米麹からつくるのか。二つ目はアルコールの有無で、酒粕甘酒にはアルコールが残ることがあり、米麹甘酒は酵母によるアルコール発酵を経ない。三つ目は見た目で、濁っているのか、透明なのか。ただし濁りの有無は濾過など製法による違いで、それだけでアルコールの有無は分からない。この三つを分けて話せれば、甘酒は麹という日本の発酵文化を伝える入り口になる。冬の行事、夏の季語、そして濁りのない一本は、どれも同じ「甘酒」という名前で呼ばれている。
This article explains the two kinds of amazake and how they have changed with the seasons, using factual information on Es Inc. and KOJI CLEAR as an example. It is intended for educational and cultural information and does not aim to promote or encourage the purchase or consumption of alcohol. Intended for readers aged 20 and over.
บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่ออธิบายอามาซาเกะสองชนิดและการเปลี่ยนแปลงตามฤดูกาล โดยใช้ข้อมูลข้อเท็จจริงของ Es Inc. และ KOJI CLEAR เป็นตัวอย่าง เพื่อการศึกษาและวัฒนธรรมเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้อ่านอายุ 20 ปีขึ้นไป
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