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グラスの中に果樹園がある

奈良・春日山の「食べる梅酒」

梅酒は、甘くて飲みやすいリキュールとして語られることが多い。気軽に選ばれる定番として、深く考えずに手に取られる存在でもある。

ただ、奈良春日山酒造の「とろとろの梅酒」の最初の一杯は、その先入観を静かに覆す。グラスを傾けると、琥珀がかったオレンジ色の液体がゆっくりとグラスの内側を滑り落ちる。スプーンを入れたくなるほどの粘度。これは、ただ「飲む」だけのものではない。

完熟梅をまるごと「食べる」ための二段階製法

この梅酒の正体を理解するには、製法を知る必要がある。

第1段階で、奈良県西吉野産の青梅を本格焼酎と醸造アルコール、糖類で漬け込み、ベースとなる梅酒を仕込む。ここまでは一般的な梅酒の工程と変わらない。

ただ、ここからが違う。第2段階で、同じ西吉野産の完熟梅をピューレ状にし、果肉ごとベースの梅酒に混ぜ込む。結果として生まれるのが、エキス分20%という高い固形分を含むにごり梅酒だ。ピーチネクターに近いテクスチャーといえば、イメージしやすいだろうか。

アルコール度数は10%。控えめに聞こえるかもしれないが、この設計には理由がある。エキス分20%の濃厚なボディが、梅の風味を最後まで崩さずに支えている。この「低アルコール・高エキス」の設計は、バンコクのような常夏の環境にも通じる、意図的な選択である。

1,100年、人の手が入らなかった森の水

蔵が位置するのは奈良県奈良市高畑町。背後には、春日大社の神山・春日山原始林が広がる。

841年、仁明天皇の勅令によって狩猟と伐採が禁じられて以来、この森は1,100年以上にわたり人の手をほとんど受けずに守られてきた。1998年にはユネスコ世界遺産「古都奈良の文化財」の一部として登録された。この原始林から湧き出る伏流水が、とろとろの梅酒の仕込水になっている。

奈良はそもそも、日本酒造りの源流のひとつとされる土地だ。市南東部の正暦寺では室町時代に三段仕込みや火入れが確立された。ルイ・パスツールに数百年先駆けて、この土地の僧侶たちは火入れの技術を実践していた。1,000年を超える醸造文化の厚みが、この土地にはある。

その延長線上に、明治10年(1877年)創業の奈良春日山酒造がある。従業員はわずか9名。5種類の酒類製造免許を持ち、日本酒から焼酎、リキュールまでを手がける小さな蔵だ。2022年に八木酒造から現在の社名に変更した際、新たに冠したのは「春日山」という名だ。蔵の命である水への敬意の表明だった。

花札が切り開いた道

2003年、この蔵はひとつの賭けに出た。

当時、梅酒のラベルといえば筆文字が主流だった。和の伝統を筆の力強さで表現するのが常識とされていた時代に、とろとろの梅酒が属する「花札シリーズ」は筆文字を一切排した。代わりに選んだのは、日本の伝統的カードゲーム「花札」の「赤短」の図柄。梅の花と、「あかよろし」と記された赤い短冊。この選択が、結果的にクラフト梅酒市場の先駆けとなる。

2019年5月、London Sake Challengeにおいて、とろとろの梅酒はプラチナ賞を獲得した。世界28名のソムリエによるブラインドテイスティング。同年、梅酒カテゴリーでプラチナを受賞したのは、わずか2銘柄のみだった。ロンドン・メイフェアの高級酒販Hedonism Winesの棚にも並ぶことになる。

9名の蔵が届けるもの

従業員9名の小さな蔵。世界遺産の麓にあり、花札のラベルを掲げる。

この蔵が手がけるにごり梅酒は、「梅酒は甘くて飲みやすい」という固定観念の向こう側にある。エキス分20%のとろみの奥に、1,100年の森の水、西吉野の完熟梅、そして小さな蔵の意志が静かに重なっている。


This article is intended solely to explore the blending craftsmanship and cultural heritage of Nara Kasugayama Shuzo and the Torotoro no Umeshu brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับศิลปะการผสมผสานและมรดกทางวัฒนธรรมของ Nara Kasugayama Shuzo และแบรนด์ Torotoro no Umeshu เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


“梅酒に十年という時間を重ねる” / “果汁50%という決断” / “振らなければ注げない酒” / “平和な時代に、酒を造る|平和酒造の「古鶴梅」が十年の熟成で書き換えた梅酒の語り口”

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