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「酒造りの神様」が海外市場向けに設計した一本──鹿野酒造「KISS of FIRE」が刻んだ、日本酒初のノーベル賞ナイトキャップ採用


「酒造りの神様」が海外市場向けに設計した一本──鹿野酒造「KISS of FIRE」が刻んだ、日本酒初のノーベル賞ナイトキャップ採用
2012年12月、ストックホルム。ノーベル賞授賞式後の祝賀ナイトキャップパーティで、ドン・ペリニヨンやモエ・エ・シャンドンの隣に、一本の日本酒が並んだ。同パーティで日本酒として初めて公式採用された一本である。翌2013年にも、同じ会場で採用された。
その名は「KISS of FIRE(キス・オブ・ファイア)」。石川県加賀市の老舗、鹿野酒造が世に問うた異例の純米大吟醸である。
1819年から続く加賀の蔵
鹿野酒造の創業は文政2年(1819年)。代々米作りと茶の栽培に携わってきた鹿野家が、記録的な大豊作の年に開いた祝宴で、「上機嫌」が永遠に続くことを願って付けた銘柄が「常きげん」だ。
200年近い歴史を持つこの蔵に、決定的な転換点が訪れたのは1998年である。「酒造りの神様」と呼ばれる伝説的な能登杜氏、農口尚彦が着任した。「現代の名工」(2006年)、黄綬褒章(2008年)を受章した人物であり、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』(2010年)で全国に名を知られるようになった。鹿野酒造は、農口の14年間の在籍によって、地方の堅実な蔵から全国区の名門へと姿を変えていく。
2005年、海外向けに設計された純米大吟醸
「KISS of FIRE」は2005年、農口杜氏の在籍中に、海外市場向けの純米大吟醸として設計・誕生した。開発にはルイ・ヴィトン ジャパンの賛同・協力があったとされる。
設計には異例の要素が複数ある。まず容量は750ml。日本酒の標準である720mlではなく、ワインボトルと同じ容量である。ボトルは青色を基調としたスタイリッシュなデザインで、化粧箱は藍色。海外のワインセラーやバックバーに、そのまま並べられることを前提に設計されている。
中身は、加賀平野の自社田産を一部含む山田錦を、精米歩合50%まで磨き、霊峰白山の伏流水である「白水の井戸」の水で仕込み、マイナス7℃前後で約3年間の長期低温熟成を経たとされる純米大吟醸。極限まで磨いて軽さを追う設計ではなく、米の旨味を残したうえで、時間の力で複雑さと骨格を獲得させる設計である。
仕込み水の水源である「白水の井戸」は、浄土真宗中興の祖・蓮如上人ゆかりの井戸であり、30年間涸れていたが、1999年に復活したと伝わる。
ノーベル賞、そしてロバート・パーカー93点
完成した一本は、海外で評価の階段を駆け上がっていった。
ノーベル賞ナイトキャップパーティでの2012年の採用は日本酒として初の出来事であり、翌2013年にも連続して採用された。その後、ワイン評価誌『Robert Parker Wine Advocate』が、本品に93点を付けたと記録されている。フランスで開催される Kura Master の純米大吟醸酒部門でも、2019年に金賞を獲得している。
「神」が残したもの
農口尚彦は2012年に鹿野酒造を退いた。だが、彼が鹿野酒造で育てた8人の蔵人のうち、7人が各地の酒蔵で杜氏に就任したと伝わる。鹿野酒造は、図らずも「杜氏養成の蔵」としての顔をも持つようになった。記事執筆時点の杜氏は、2011年に就任した一級酒造技能士の木谷太津男である。
200年の歴史と、神の手による設計と、ストックホルムのナイトキャップパーティでの採用。それらが交差する一本の青いボトルが、いまも静かに、世界へ向かう長い旅を続けている。
This article is intended solely to explore the brewing philosophy and cultural heritage of Kano Shuzo Co., Ltd. and the KISS of FIRE brand, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับปรัชญาการผลิตและมรดกทางวัฒนธรรมของ Kano Shuzo Co., Ltd. และแบรนด์ KISS of FIRE เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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