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「ウイスキーの次」を探しているバンコクのバーへ──ジャパニーズクラフトジンという選択肢の実務ガイド

「ウイスキーの次」を探しているバンコクのバーへ──ジャパニーズクラフトジンという選択肢の実務ガイド

バックバーにジャパニーズウイスキーを並べることが、もはや差別化にならなくなった。

響、山崎、白州。名前を出せば客の目が輝いた時代は確かにあった。しかし2026年現在、バンコクの主要なカクテルバーのほぼすべてがジャパニーズウイスキーを揃えている。Asia’s 50 Best Bars 2025にランクインしたバンコクの7軒を見ても、日本産ウイスキーは「あって当然」の存在だ。では、次の一手は何か。ここで注目すべきは、ジャパニーズクラフトジンである。

10年で、ゼロから80超へ

2016年、京都蒸留所が「季の美(Ki No Bi)」をリリースした時、日本にジン専業の蒸留所は1つもなかった。それから10年。2026年現在、日本でジンを生産する蒸留所は80カ所を超えている。

背景には3つの構造的要因がある。第一に、参入障壁の低さ。ウイスキーは樽で数年以上の熟成を要するが、ジンは蒸留後すぐ出荷できるため、小規模な蔵元や新規参入者にとって現実的な選択肢になった。第二に、ボタニカルの自由度。ジンの定義上、必須なのはジュニパーベリーを主体とすることだけで、それ以外は自由に選べる。この「余白」が、日本各地の風土を液体に封じ込める手段になっている。第三に、テロワール表現の即時性。ジンはボタニカルの選択と蒸留技術で「今、この土地の味」を直接表現できる。The Spirits Business誌が2026年1月の特集で、日本のジンを世界で最もテロワール志向の強いカテゴリーの一つと位置づけたのも、この性質ゆえである。

「6グループ蒸留」という設計思想

ジャパニーズクラフトジンを理解する鍵となるのが、京都蒸留所が確立した「6グループ蒸留(Six Elements Distillation)」である。

通常のジンでは、すべてのボタニカルを一度に、あるいは数回に分けて蒸留する。京都蒸留所はこれをベース、シトラス、ティー、ハーバル、スパイス、フローラルの6カテゴリーに分け、個別に蒸留してからブレンドする。各要素が独立しているため、カクテルで「何がどう効くか」を予測しやすい。シトラスを活かしたいか、スパイスの奥行きが欲しいか。バーテンダーの選択精度が上がる。

こうしたボタニカル設計の発想は、季の美だけのものではない。桜尾ジン(広島)は瀬戸内の柑橘と牡蠣殻、YASO GIN(新潟)は80種の野草、ROKU(サントリー)は桜花・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子の6つの和素材を核に据える。各蒸留所がボタニカルの「地図」を明確に持つ点が、ロンドンドライジンとの決定的な違いである。

バーメニューへの導入:3つの実務ステップ

第一に、3本から始める。全カテゴリーを揃える必要はない。柚子・橙が前面に出るシトラス軸、煎茶・薬草系のティー&ハーバル軸、山椒・生姜が効くスパイス軸。この3軸で1本ずつ揃えれば、ジントニックからネグローニまで、クラシックカクテルの「和の解釈」を提案できる。

第二に、クラシックを「翻訳」する。ゼロからオリジナルを開発するより、既存のクラシックをジャパニーズジンで再解釈する方が効率的だ。バンコクにあるSindhorn Kempinski Hotel内のFirefly Barが提案する「Nihon Gimlet」は、ジャパニーズジン、抹茶、バイマックルー(コブミカンの葉)の組み合わせである。日本のボタニカルとタイのハーブが交わる接点を、クラシックの枠組みの中で見つけている。

第三に、スペックではなくストーリーで伝える。ジャパニーズウイスキーが「熟成年数」と「蒸留所名」で語られたのに対し、ジンについて客が知りたいのは「なぜこのボタニカルなのか」「どの土地の味か」だ。メニューには、産地と風土、主要なボタニカル3つ、推奨する飲み方の順で記す。蒸留方法やアルコール度数は補足に留める。

ウイスキーの轍を踏まないために

ジャパニーズウイスキーでは、世界的な成功の代償として、需要の急増が原価の高騰と供給の不安定化を招いた。仕入れの予測が立たないカテゴリーは、バー経営にとってリスクである。

ジャパニーズクラフトジンは、現時点ではこの問題の影響を比較的受けにくい。蒸留所が80カ所を超え、供給源が分散していること。熟成を要さず、需要増に応じて生産を増やしやすいこと。だからこそ「今のうちに」自店のジンプログラムを構築しておく意味がある。信頼できる供給元との関係を築き、スタッフが語れるストーリーのある銘柄を選んでおくこと。それが、3年後の差別化につながるのである。


This article is a B2B operational guide intended solely for cocktail bar operators, bartenders, and bar managers in Bangkok, exploring the distillation techniques and category landscape of Japanese craft gin and practical approaches to building a bar program. It is not intended to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้เป็นคู่มือเชิงปฏิบัติสำหรับธุรกิจ B2B จัดทำขึ้นเพื่อผู้ประกอบการบาร์ค็อกเทล บาร์เทนเดอร์ และผู้จัดการบาร์ในกรุงเทพฯ โดยเฉพาะ เพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและภูมิทัศน์ของคราฟต์จินญี่ปุ่น รวมถึงแนวทางปฏิบัติในการสร้างโปรแกรมบาร์ มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ

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