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日本で大きな規模を持つ蒸留酒カテゴリーが「見えない」理由
宮崎焼酎の海外展開が問いかけていること

2026年1月28日、宮崎県内で「MIYAZAKI SHOCHU CONNECT」というイベントが開かれた。ジェトロ(日本貿易振興機構)が主催し、米国・英国・インド・シンガポールの4カ国からバイヤーを招いて、宮崎の焼酎蔵元との対話の場を設けた。このイベントで際立っていた点は、バイヤーが先に発言する構成にあった。なぜそうしたのか。その設計の背景には、焼酎業界が長く抱えてきたある構造的な問題がある。
「SHOCHU」という言葉が、まだ届いていない
日本酒の輸出額は近年、数百億円規模まで伸びてきた。一方、焼酎・泡盛の輸出額は、その10分の1にも満たない規模にとどまっている。
この差を「焼酎の海外展開が遅れた」と片づけることはできる。しかし、問題の根は別のところにある。「SAKE」という言葉は世界共通語として定着しつつある。英語圏のバーメニューに登場し、食文化メディアでも使われる。実際に日本酒を飲んだことがなくても、「SAKE」という語を知っている人は世界中にいる。
「SHOCHU」はそうではない。この言葉が、多くの国のバイヤーや消費者の頭の中にまだほとんど存在していない。言葉のない商品を取り扱うことは難しい。バイヤーは「SHOCHUを仕入れたい」と言えない。消費者は「SHOCHUを注文したい」と言えない。「何か日本の蒸留酒があるらしい」という認識があっても、それを指す言葉がなければ、選択肢に入らない。これは単なるマーケティングの問題ではなく、概念として十分に共有されていない状況だ。
国内で大きな規模を持つ蒸留酒カテゴリーが、国際的に「見えない」
焼酎は日本国内で大きな規模を持つ蒸留酒カテゴリーである。これほどの存在感を持ちながら、輸出額で見ると、日本酒の10分の1以下にとどまっている。この逆説の背景には、焼酎が長らく国内需要だけで成立してきた事情がある。国内に安定した需要があれば、海外展開の優先度は上がりにくい。日本酒業界が輸出を意識した商品開発や情報発信に取り組んできた一方、焼酎業界は、輸出を前提とした商品開発や情報発信のプロセスを十分には経てこなかった。
概念を先に作る対話
「MIYAZAKI SHOCHU CONNECT」でバイヤーに先に発言してもらう構成は、この状況に対する現実的な答えだった。SHOCHUの概念が相手の頭の中にない段階で製品のスペックや蔵の歴史を説明しても、聞き手には受け皿がない。だからまず、バイヤーが自国市場や担当市場で何を必要としているかを先に聞く。米国ではクラフトスピリッツとしての文脈が有効かもしれない。英国ではジンやウイスキーとの差別化が必要かもしれない。インドやシンガポールでは、麹や発酵という物語が入り口になるかもしれない。焼酎の定義を一律に押しつけるのではなく、対話を通じて市場ごとの入り口を設計する。このイベントの設計は、SHOCHUという言葉が世界で定着するより前に、概念を育てることを優先したものだった。
宮崎の立ち位置:GIなき産地の戦略
焼酎・泡盛の産地には「地理的表示(GI)」を持つ地域がある。壱岐焼酎(長崎)・球磨焼酎(熊本)・薩摩焼酎(鹿児島)・琉球泡盛(沖縄)などのGIは、世界貿易機関(WTO)の枠組みで産地名が保護されている。産地名そのものがブランドの根拠になる制度だ。宮崎の焼酎には、現在GI認定がない。それでも、品評会での評価を積み上げてきた蔵元もあり、産地の名称に依存しない形でのブランド形成が試みられてきた。今回のCONNECTは、こうした蔵元の姿勢を外側に向けて示す試みでもあった。
バンコクへの接続
タイは日本酒の輸入市場としてアジアで重要な位置を占めているが、焼酎の認知度はまだ低い。バーや日本食レストランでも、焼酎をメニューに取り入れている店は限られているのが現状だ。
宮崎で示された方法論は、バンコクの飲食業界にも応用できる。焼酎を取り扱うかどうか判断する前に、「焼酎をどう説明するか」という言語化の作業が必要になる。クラフトスピリッツとして紹介するか、麹・発酵という物語で入るか、それとも別のスピリッツとの違いで見せるか。その入り口設計こそが、日本酒とは別の文脈で焼酎を扱う際の最初の課題になる。
この対話がどのような成果に結びついたかはまだ明らかになっていない。ただ、日本国内で大きな規模を持つ蒸留酒カテゴリーが、世界に向けて本格的に問いを発し始めたという意味で、この動きは業界の転換点の一つになり得る。バンコクで焼酎にどのような言葉が与えられていくか。その行方は、飲食業界にとっても無関係ではない。
This article is intended solely to explore the distillation techniques and cultural heritage of Miyazaki shochu producers and their international market development approaches, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับเทคนิคการกลั่นและมรดกทางวัฒนธรรมของผู้ผลิตโชชูในจังหวัดมิยาซากิและแนวทางการพัฒนาตลาดในระดับนานาชาติเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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