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ワインは寝かせ、日本酒は立てる
同じセラーで姿勢が分かれる理由

バンコクの飲食店にあるセラーで、ワインと日本酒が同じ冷蔵設備に並ぶ光景は珍しくない。よく見ると、ボトルの姿勢が違う。ワインは横に寝かされ、日本酒は立てて置かれている。どちらかが間違っているわけではない。この姿勢の違いには、それぞれの容器の構造に根ざした明確な論理がある。
熱帯のバンコクでは、この違いを理解しているかどうかが、在庫の品質をそのまま左右する。
ワインを横置きにする理由
ワインの横置きは、コルク栓のための姿勢だと長く説明されてきた。
コルクはコルク樫の樹皮から作られる多孔質の素材で、乾燥すると収縮し、瓶口との密着が緩むとされる。横置きにしてワインとコルクを接触させ続ければ乾燥を防げる。これが、横置きが世界の常識として語られてきた主な理由である。
ところが近年、この前提そのものに疑問が投げかけられている。密封された瓶の空隙(ヘッドスペース)の湿度はほぼ100%に達し、コルクは瓶内の湿気だけで湿った状態を保てる、という見解がある。だから「縦置きだとコルクが乾く」とは限らない。世界最大のコルクメーカー、ポルトガルのアモリムの研究者は2018年、横置きの必要性を「神話」とまで述べた。むしろコルクにワインが触れ続けることがコルクを傷める、という指摘さえある。実際、少なくとも5年間の保管試験では、縦置きと横置きで味や香りに識別できる差は出ていない。
一方で、豪州ワイン研究所(AWRI)は現在もコルク栓のワインを寝かせて保管することを推奨しており、長期保管での決着はついていない。確かなのは、スクリューキャップのワインには横置きの必然性がないこと。「ワインは横置き」という常識は、少なくとも「すべてのワインに当てはまる絶対則」ではなくなりつつある。
日本酒を立てて保管する理由
日本酒の瓶の大半は、金属製のキャップで封じられている。コルクと違って乾燥の心配はない。それなら姿勢はどちらでもよいかと言えば、そうではない。横置きには不利な点が二つある。
一つは酸化だ。横に寝かせると、瓶内のわずかな空気と酒の接触の仕方が変わり、酸化が進みやすくなるとされる。もう一つは、キャップの金属部分やパッキンに酒が触れ続けることによる劣化リスクだ。立てて保管すれば、液体は瓶の底に収まり、栓との接触は最小限になる。
コルク栓のワインの横置きが伝統的にコルク栓という構造への対応として理解されてきたように、日本酒の縦置きは金属キャップという構造への対応である。姿勢の違いは文化の違いではなく、容器の構造の違いに由来する。
バンコクという環境が、差を拡大する
日本国内であれば、「冷暗所に立てて置く」という一言で済む話かもしれない。バンコクでは事情が変わる。
この街の湿度は年間を通じて70%から80%に達する。日本酒の保管に適した湿度は50%から70%とされるから、上限を超えやすい環境だ。横置きにしたボトルでは、接地面に湿気がたまり、ラベルや瓶の表面にカビが発生しやすくなる。金属キャップにとっても高湿度は錆の原因になり、錆が進めば密閉性そのものが損なわれる。
つまり熱帯では、縦置きは酸化対策であると同時に、湿気対策でもある。立てて保管し、ボトル同士を離し、ラベル面が壁に密着しないよう間隔を取る。日本では細部にすぎなかった置き方の作法が、バンコクでは品質管理の主要な項目に格上げされる。
姿勢は、容器の論理に従う
ワインの横置きと日本酒の縦置き。どちらが正しいかという問いは成立しない。それぞれの姿勢には、栓の素材と容器構造をめぐる異なる論理がある。
バンコクでワインと日本酒の両方を扱う店であれば、同じセラーの中に「寝かせて置く棚」と「立てて置く棚」が同居することになる。そうした設計は手間に見えるかもしれない。ただ、ボトルの姿勢という小さな観察から容器の論理を読み解いていくと、保管とは温度だけの問題ではないことが見えてくる。栓の素材、湿度、光。栓や容器が何でできていて、何に弱いのか。その理解の深さが、グラスに届く品質を静かに決めている。
This article is intended solely to explore the storage practices and quality management of Japanese sake and wine for food and beverage professionals, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับแนวทางการจัดเก็บและการจัดการคุณภาพของสาเกญี่ปุ่นและไวน์สำหรับผู้ประกอบการร้านอาหารและเครื่องดื่มเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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