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商品ごとに蔵を選ぶ――SAKE HUNDRED「BYAKKO BESPOKE」と「NIKO」

KANPAI Makers’ Choices No.12
日本酒では、銘柄と醸造元の酒蔵が強く結びついて語られることが多い。土地の水、米、気候、そして蔵に蓄積された技術が、銘柄の個性を形づくるからだ。
SAKE HUNDREDは、この関係を別の角度から組み立てている。ブランドを運営する株式会社Clearは自社の酒蔵を持たず、商品ごとの構想に合わせて各地の酒蔵と共同開発を行う。公式サイトでは、協働する酒蔵を「醸造パートナー」と呼んでいる。
KANPAI THAILAND 2026のBacchus Global枠で紹介するのは、SAKE HUNDRED BYAKKO BESPOKEとNIKOの二商品である。BYAKKO BESPOKEは山形県の楯の川酒造、NIKOは新潟県の白瀧酒造が醸造を担う。同じブランドの二商品だが、原料も工程も、造られる土地も異なる。
No.12では、二商品に優劣をつけるのではなく、商品構想に応じて醸造パートナーを選び、それぞれの蔵が持つ技術を生かして別の答えを導くという、SAKE HUNDREDの設計方法を見る。
酒蔵を持たず、酒蔵の技術をつなぐ
株式会社Clearは2013年に設立され、2018年にSAKE HUNDREDの前身となるブランドを立ち上げた。日本酒の製造設備を自社で持つのではなく、商品ごとに構想を立て、その実現に適した酒蔵と開発を進める。
この方法は、酒蔵の役割を小さくするものではない。ブランドが商品の構想を描き、その実現に必要な条件として、土地の水、設備、蔵が培ってきた技術を生かす。ブランドが構想を示し、醸造パートナーが蓄積してきた技術によって、その構想を具体化する。どちらか一方だけでは、商品は成立しない。
BYAKKO BESPOKEとNIKOを並べると、その関係が分かりやすい。前者では、米を精米歩合18%まで精米し、原料米と酵母の組み合わせを見直す。後者では、一般的な三段仕込みにもう一段階を加え、白麹や米糠を生かす。二つの蔵に同じ造り方を求めるのではなく、異なる技術を一つのブランドの中で結んでいる。
BYAKKO BESPOKEは、米と酵母を見直す
BYAKKO BESPOKEを醸す楯の川酒造は、1832年に山形県酒田市で創業した。2010年から、蔵で造る日本酒をすべて純米大吟醸とする体制へ移行している。純米大吟醸は米、米麹、水を原料とし、醸造アルコールを加えない特定名称酒である。主な数値要件の一つとして、精米歩合50%以下が定められている。
BYAKKO BESPOKEには、兵庫県産山田錦が使われる。精米歩合は18%で、精米後の白米の重量が元の玄米の重量の18%になるまで、200時間以上をかけて精米する。さらに、原料米だけでなく、香りや発酵に関わる酵母の選定も見直している。
「BESPOKE」は、注文に合わせて仕立てるという意味の言葉である。この商品における「仕立て」は、外装だけの違いではない。BYAKKOシリーズの基本設計から米の品種と酵母の組み合わせを見直し、甘味、旨味、酸味のバランスを異なる方向に設計している。
ここで中心となるのは、18%という数字だけではない。楯の川酒造が高精白米を扱ってきた経験と、原料米や酵母を変更して酒質を整える仕事が一つにつながっている点である。
NIKOは、仕込みを一段増やす
NIKOの醸造を担う白瀧酒造は、1855年に新潟県の越後湯沢で創業した。豪雪地帯にある蔵では、谷川山系の雪どけ水が約50年をかけて地下水となり、敷地内の三本の井戸からくみ上げられる。公式情報では、硬度約41 mg/Lの軟水とされている。
NIKOでは、この水に加え、仕込みの組み立て方そのものが特徴になる。多くの日本酒では、米、麹、水を三回に分けて加える三段仕込みが用いられる。NIKOは、そこへ四段目を加える四段仕込みを採用する。
四段目に使うのは、日本酒で一般的な黄麹ではなく、焼酎造りで広く使われる白麹である。白麹はクエン酸をつくるため、酸の設計にも関わる。さらに、SAKE HUNDREDの別商品「百光|BYAKKO」の製造で生じる米糠を、この四段目の原料として活用している。
米糠は、精米によって削り取られる米の外側の部分である。NIKOでは、通常の仕込みではあまり使われない米糠を、甘味を生む原料として活用する。加えて、もろみを通常の吟醸造りより低い温度で発酵させ、発酵時に生じる炭酸ガスを酒に溶け込ませる設計となっている。
BYAKKO BESPOKEがBYAKKOシリーズの基本設計から原料米と酵母を見直すのに対し、NIKOは仕込みを一段増やし、その段階で使う麹と原料を変える。違いは、商品名やラベルだけではなく、発酵に入る前の選択と、発酵中の工程にまで及んでいる。
同じブランドでも、造り方をそろえない
BYAKKO BESPOKEとNIKOは、同じ尺度で優劣をつけるべき商品ではない。BYAKKO BESPOKEは純米大吟醸であり、NIKOは白麹と米糠を用いた独自の四段仕込みによって造られる。二商品では、原料、精米、麹、発酵管理の考え方が異なる。
共通しているのは、製法をそろえることではない。まず商品が目指す方向を定め、その実現に必要な技術を持つ酒蔵と組むことである。
楯の川酒造では、高精白米を扱う技術と純米大吟醸に特化した造りが生かされる。白瀧酒造では、雪どけ水を用いながら、白麹四段仕込み、米糠の活用、低温での発酵管理が組み合わされる。それぞれの土地の条件と蔵の得意分野が、異なる商品設計に生かされている。
No.12で見る、醸造パートナーの選び方
KANPAI Makers’ Choicesは、これまで一つの蔵に焦点を当て、米の磨き方、上槽時に取り分ける部分、原料の手入れ、濾過、加水、熟成容器など、造り手が工程のどこで判断しているかを見てきた。
No.12のBacchus Global枠では、視点を一段手前へ移す。取り上げるのは、BYAKKO BESPOKEとNIKOの二商品である。そして中心に置くのは、造り始める前に、どの蔵と組むかを選ぶことである。
一つの蔵の技術をすべての商品へ当てはめるのではなく、BYAKKO BESPOKEでは原料米と酵母の組み合わせ、高精白を軸にし、NIKOでは白麹四段仕込みと米糠の活用を軸にする。二つの商品を同じ型にはめないところに、SAKE HUNDREDのブランド設計が表れている。
This article is intended solely to provide factual and cultural information about the product-development philosophy of SAKE HUNDRED, BYAKKO BESPOKE, NIKO, and their brewing partners. It does not aim to promote or encourage the purchase or consumption of alcohol. It is intended for readers aged 20 and over.
บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อให้ข้อมูลเชิงข้อเท็จจริงและวัฒนธรรมเกี่ยวกับแนวคิดการพัฒนาผลิตภัณฑ์ของ SAKE HUNDRED, BYAKKO BESPOKE, NIKO และโรงสาเกพันธมิตรเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ บทความนี้จัดทำขึ้นสำหรับผู้อ่านอายุ 20 ปีขึ้นไป
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