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全量を大吟醸造りで醸す蔵
富山・富美菊酒造、Kura Master 2026「Best Brewery」第2位

日本酒の蔵元には、いくつかの姿勢がある。一つの銘柄を磨き上げる蔵、季節限定の冒険を続ける蔵、量で勝負する蔵。富山県富山市の富美菊酒造(1916年創業)は、そのどれとも少し違う。「すべての酒に、大吟醸と同じ手間をかける」。それが、この蔵の宣言である。
銘柄ではなく、蔵が評価された
2026年4月、フランス・パリで開かれた日本酒コンクール「Kura Master」。第10回を迎えるこの審査会で、富美菊酒造は蔵元総合部門で第2位に選ばれた。この「Best Brewery」は、特定の1銘柄ではなく、蔵が出品した複数の酒の総合点で順位が決まる仕組みである。
実際、富美菊酒造が手掛ける「羽根屋(はねや)」ブランドからは、ダイヤモンド雄町がプラチナ賞を、純米吟醸クラシック、MOONLIGHT BEAUTY、純米吟醸八反錦が金賞を受賞するなど、複数の銘柄が同時に評価されている。前年の2025年には、同蔵の「羽根屋 純米吟醸 富の香」が純米酒部門で審査員賞を受賞している。単一銘柄の評価と、蔵全体の評価。二つの軸での実績は、簡単には積み上がらない。
「全量、大吟醸造り」という宣言
富美菊酒造の特徴を一言で言えば、「すべての酒を、大吟醸と同じ手順で造る」ことである。
主に大吟醸の仕込みで用いられる「限定吸水」(米が吸う水の量を秒単位で管理する精緻な工程)、「箱麹」「蓋麹」(小分けの容器で麹を丹念に育てる手法)などを、純米吟醸や特別純米を含む全銘柄に適用している。さらに、最新の空調設備で蔵内の温度を一年を通して管理する「四季醸造」を取り入れ、瓶詰め後はすべての酒を冷蔵で貯蔵する。
「最高ランクの酒に用いる造りを、特定の銘柄に限定しない」。この哲学が、結果として蔵全体の評価につながっている。
立山連峰の水と、羽根敬喜という杜氏
蔵が使う仕込み水は、常願寺川水系の伏流水である。立山連峰の雪解け水が長い時間をかけて地下を旅し、富山平野に湧き出る軟水だ。米と水、そして造り手。三つの要素のうちの「水」を、蔵は土地から得ている。
蔵元杜氏は、羽根敬喜(はね・けいき)氏。蔵の代表銘柄「羽根屋」は、羽根氏自身の名字である「羽根」に由来する。蔵の名と銘柄の名は別だが、銘柄に造り手の名が刻まれている、という構造である。富美菊酒造は、世界酒蔵ランキング2025で第11位となり、同ランキングに6年連続で選出されている。その酒は、JALのラウンジやANAのプレミアムクラスで提供され、帝国ホテルでも取り扱われてきた。
バンコクへ届く、「蔵」の物語
一つの銘柄を語るのと、蔵全体を語るのとは、訴求の仕方が異なる。前者は1本の物語、後者は哲学の継続性である。
バンコクで蔵元を紹介するとき、「単一銘柄での受賞」と並んで、「蔵全体として第2位」という評価軸を持てることは、語り口の幅を確かに広げる。一本の酒の特徴を語るだけでなく、その蔵を理解する手がかりも示せる、ということだ。富美菊酒造の物語は、銘柄を超えた評価の積み重ねによって、これから少しずつバンコクにおける日本酒文化の紹介にも、自然につながっていくはずである。
This article is intended solely to explore the brewing philosophy and cultural heritage of Fumigiku Shuzo (the producer of the Haneya brand) and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับปรัชญาการผลิตและมรดกทางวัฒนธรรมของโรงสาเก Fumigiku Shuzo (ผู้ผลิตแบรนด์ Haneya) เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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