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8,000年前の土の器

ジョージアワインと「クヴェヴリ」が、いまバンコクで語られる理由

今からおよそ8,000年前。現在のジョージア(黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス地方の国)で、ある人が葡萄を素焼きの甕(かめ)に入れ、その甕を土の中に埋めた。温度を調節する道具も、味を整える添加物もなかった。発酵は、土と気温と時間にゆだねられた。これが、いま分かっているなかで世界最古のワインづくりの痕跡だとされる。

その8,000年前の記憶が、2026年のバンコクで、ふたたび語られはじめている。自然派ワインを扱う店のメニューに、「クヴェヴリ醸造」と記されたジョージアワインが並ぶようになった。なぜいま、確認されているなかで最も古いワインづくりが注目されるのか。

ワインの起源は、土の中にあった

ジョージアは、現在確認されているなかで世界最古のワインづくりの証拠が見つかっている国だ。紀元前6000年ごろの遺跡から、葡萄の種や、発酵の跡がついた土器のかけらが出土している。だからこの地は「ワインの故郷」と呼ばれる。その伝統的な製法「クヴェヴリ醸造」は、2013年にユネスコの無形文化遺産にも登録された。

クヴェヴリとは、内側に蜜蝋を塗った素焼きの甕のこと。容量は数十リットルのものから、数千リットルを超える巨大なものまでさまざまで、いずれも土の中に埋めて使う。収穫した葡萄を皮や種ごと甕に入れ、すぐには密閉せずに発酵を進める。添加物は基本的に使わない。発酵が落ち着いたらふたをして密封し、地下の安定した温度のなかで数か月ねかせる。翌年の春、甕を開けるとワインができている。

白ワインなのに、琥珀色

この製法のいちばんの特徴は、白葡萄でも皮ごと発酵させることだ。ふつう白ワインは果汁だけを発酵させるが、クヴェヴリ醸造では、赤ワインのように皮や種ごと発酵させる。すると皮の色や渋みがにじみ出て、白ワインなのに琥珀色や深い金色になる。これが、近年世界で知られるようになった「オレンジワイン」の原点のひとつだとされる。8,000年前の土器醸造に連なるこの製法が、現代になって改めて注目されているわけだ。

この味わいを支えているのが、土地の在来品種だ。白葡萄のルカツィテリ、赤葡萄のサペラヴィなど、何千年も同じ土地で育てられてきた葡萄品種が、いまもジョージアには数多く残っている。土地、品種、製法が、長い時間をかけて一体となってきたのだ。

「何もしない」という、ひとつの技術

近年の自然派ワインの考え方は、「土地の個性をいかし、人の手をできるだけ入れない」というものだ。これは、ジョージアの造り手がクヴェヴリで何千年も続けてきたことと、深く重なる。酸や糖を足さず、発酵を天然の酵母にまかせ、熟成を土の中の安定した温度環境のもとで進める。「何もしないことで、その土地の味が立ち上がる」。ジョージアの造り手にとっては、ずっと当たり前のことだった。新しい流行に見えるものが、実際には8,000年前から続く知恵だった、ということである。

この発想は、日本酒にも通じる。手間のかかる生酛造りや山廃仕込みが世界で評価される理由も、乳酸などを足さず、時間と微生物の働きを引き出して米の味を育てる、という同じ軸にある。

バンコクが「起源の物語」を求めている

近年、バンコクの高級レストランやワインバーでは、味だけでなく「その飲みものが持つ物語」が重んじられるようになった。ブランド名や産地だけでなく、どんな考えで、どうつくられたのかが問われる。ゲストに語れる背景を持つ一本は、深く印象に残りやすいからだ。

こうした「背景を知りたい」という需要に対して、ジョージアワインは雄弁な答えになる。そこには、8,000年という時間、ユネスコが認めた文化、そして「土の中で眠りながら育つ」という、思わず誰かに話したくなる情景がある。発酵文化という大きな文脈のなかで、最も古く、最も素朴なその物語が、2026年のいま、バンコクで、新しい意味を帯びはじめている。


This article is intended solely to explore the history and cultural heritage of Georgian qvevri winemaking, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับประวัติศาสตร์และมรดกทางวัฒนธรรมของการผลิตไวน์แบบ Qvevri ของจอร์เจียเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


“「1924年の農業講座」が、いまバンコクのワインリストに現れる理由|ビオディナミという、百年の検証” / “オレンジワインは「色」だけでなく「製法」で読む|バンコクで見え始めたスキンコンタクト白”

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