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デザートに発酵エビペースト|料理の中で変わる素材の役割

陶器の器に盛った発酵調味料と木の匙、リネンの布を配した静物画

発酵エビペーストをデザートに使い、うま味を加える。クアラルンプールのレストランで紹介された使い方である。発酵食材に注目するときは、原料や製法に加え、料理の中で果たす役割を見ると分かりやすい。料理と日本酒・焼酎の組み合わせを考える際にも、この視点が手がかりになる。

甘い皿に、うま味を添える

2026年1月、国際的なレストランガイドは、クアラルンプールの店がデザートに発酵エビペーストを使う例を紹介した。その記事で注目されたのは、うま味のアクセントを加える働きである。

「エビのペースト」という名前からは原料が分かる。一方、デザートへの使い方を知ると、甘い皿にうま味を添えるという役割が見えてくる。素材をどの料理に使うかまで見ることで、原料の説明が、完成した味の説明へとつながる。

同じ記事には、ロンドンの店のデザートも登場する。温かいココア風味のスポンジケーキに、根菜の一種であるパースニップのアイスクリームと少量の味噌を合わせた一皿である。発酵調味料をコースの最後の料理にも取り入れる例が紹介されている。

味噌の中にも、複数の味がある

味噌には、塩味に加えて、うま味や甘味、酸味などがある。種類や製法によって、それぞれの強さや香りも変わる。料理に味噌を加えるときは、複数の味や香りを一緒に加えることになる。

うま味に関わるのは、大豆のたんぱく質が分解されてできるアミノ酸である。アミノ酸は、たんぱく質を構成する成分であり、その1つであるグルタミン酸がうま味を生む。

米麹は、蒸した米に麹菌を育てたものである。米麹を使う味噌では、麹菌が作る酵素によって米のでんぷんが糖に分解され、甘味につながる。

こうした味が料理の中でどのように現れるかは、加える量やほかの材料との組み合わせによって変わる。「発酵食材を使った」という説明から一歩進み、うま味が加わったのか、塩味や甘味も加わったのかを見ると、一皿の組み立てを理解しやすくなる。

日本酒と焼酎も、完成した味から考える

料理に合わせる飲料を考える際にも、発酵の工程と、完成した酒の特徴を併せて見ることが重要である。

日本酒には、糖やアミノ酸、乳酸やコハク酸などの酸が含まれ、甘味、うま味、酸味に関わる。糖が同じ程度含まれる場合でも、酸の量によって甘口・辛口の感じ方は変わる。成分の量と、全体として感じられる味の両方に目を向ける必要がある。

焼酎は、発酵した原料の混合物「もろみ」を加熱し、出てきた蒸気を冷やして集める蒸留酒である。アルコールや蒸発する香りの成分を取り出すため、発酵後の蒸留方法も酒の特徴に関わる。発酵食材を使った料理と酒を比べるときは、こうした仕上げの工程まで含めて、それぞれの香りや味を捉えたい。

料理のどこに、どんな味を加えるか

バンコクの飲食店で飲料を選ぶ担当者にとっても、料理に使われた発酵食材の役割を知ることは、酒の特徴を考える出発点になる。味噌を加えた料理であれば、味噌の種類とともに、料理全体の甘味や塩味、うま味の強さにも目を向ける。酒についても、香り、甘味、酸味などを実際の製品ごとに捉えることが基本である。

味噌と日本酒がともに麹を使うという製法上の共通点は、料理と酒の背景を理解する手がかりになる。その共通点に、完成した料理と酒の特徴を重ねることで、どの味や香りが組み合わさるのかを具体的に考えられる。

デザートに発酵エビペーストを使うという選択には、素材の用途を味から考える工夫がある。「エビ」という名称からは意外に見える組み合わせも、うま味を添える役割に目を向ければ理解しやすい。発酵調味料をどこで使い、料理に何を加えるか。その具体的な判断に、シェフが味を組み立てる仕事が表れている。


This article provides educational information on the culinary roles of fermented ingredients and the production and flavor characteristics of Japanese sake and shochu. It is not intended to promote or encourage alcohol consumption.

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