
バンコクに集う、40の蔵 ── KANPAI THAILAND 2026という和酒の祭典
タイで日本酒を取り巻く景色は、この数年で静かに、しかし確実に変わってきた。かつて高級日本食店の片隅にひっそりと並んでいた一升瓶が、いまではバンコクのビストロやワインバーのメニューにも顔を出す。2025年に開かれた和酒イベントには、3日間でおよそ1,335名が足を運んだ。その熱量を受けて、2026年の催しは規模も内容も大きく更新される。
過去最大規模、40の蔵元が一堂に
2026年8月28日から30日まで、バンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターで「KANPAI THAILAND 2026」が開かれる。同イベントは、日本文化の祭典「Bangkok Nippon Haku 2026」内で開催される。出展は40ブース、40の蔵元におよび、タイで催される和酒イベントとしては過去最大の顔ぶれとなる見込みだ。
主催は、Bacchus Globalをはじめ、SCS Trading、ITALASIA Trading(Thailand)、BB&B、Sake Hunterなど複数の企業が務める。これまで個々に動いていた輸入・卸各社が手を組み、ひとつのプラットフォームを築いた点に、このイベントの転機がある。後援には在タイ日本国大使館と日本貿易振興機構(JETRO)が名を連ねる予定で、文化交流の催しとしての性格も帯びている。
そろう銘柄は約160種類。日本酒だけでなく、焼酎、梅酒、リキュール、そして日本産のスピリッツまで幅広い。北から南まで、土地ごとに異なる水と米と造り手の哲学が、ひとつの会場に並ぶことになる。
自分のペースで巡る、という設計
このイベントが面白いのは、楽しみ方が来場者に委ねられている点だ。仕組みは三つのプランに分かれている。
ひとつ目は、グラスとコインがセットになったスタータープラン。初めての人が気負わず会場を一周できる入口だ。ふたつ目は、時間内に自由に味わえる飲み放題のプラン。三つ目は、希少な銘柄まで含めて深く探求できるプレミアムプランである。
会場ではコインを使う仕組みが採られる。銘柄ごとに必要なコインの枚数が異なり、気軽な一杯から、じっくり向き合いたい一杯まで、自分の興味・関心に合わせて選べる。誰かに急かされることなく、40の蔵を自分の足取りで巡る。その自由さが、この催しの核にある。
頂点を、タイで知る
今回とくに注目を集めそうなのが、プレミアム銘柄の特別ブースだ。日本国内でも入手が難しい希少な大吟醸から、長い時間をかけて育てられた熟成酒、土地の個性が際立つ焼酎や梅酒まで、普段はなかなか出会えない銘柄が並ぶ予定である。
希少さや入手の難しさだけでは語れない、造り手の哲学が際立つ銘柄たち。同じ「日本酒」「焼酎」という言葉の内側に、これほど多様な表情があるのかと驚かされるはずだ。性格のまったく異なる蔵の仕事を、同じ会場で並べて知ることができる機会は、タイではそうそうない。
飲むだけではなく、学ぶ場として
会場では、蔵元による解説の時間も設けられる。通訳がつくため、言葉の壁を越えて造り手の考えに触れられる。米の磨き方ひとつ、仕込み水ひとつにも込められた意図を聞けば、目の前の一杯の背景にある長い物語が見えてくる。
KANPAI THAILANDが裾野を広げる催しだとすれば、プレミアムブースは頂点を可視化する企画だといえる。裾野と頂点が同じ会場で示されて初めて、和酒という文化はその全体像をタイの人々に示すことができる。
8月の3日間、バンコクの真ん中に、日本各地の40の蔵が集う。それは単なる試飲会ではなく、ひとつの文化が海を越えて根を張ろうとする、その現在地を確かめる場になるはずだ。
This article is intended solely to explore the cultural heritage of the Japanese sake event “KANPAI THAILAND 2026” and the breweries participating in it, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. The participating brands are subject to change. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับมรดกทางวัฒนธรรมของงาน “KANPAI THAILAND 2026” และโรงผลิตสาเกที่เข้าร่วมเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ รายชื่อแบรนด์ที่เข้าร่วมอาจมีการเปลี่ยนแปลง สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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