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Patrick Baudouin:シュナンへ戻る長い道

Patrick Baudouin:シュナンへ戻る長い道

1990年、Patrick Baudouinはアンジューへ戻った。待っていたのは、完成したドメーヌではなかった。

残っていたのは、家族の古いカーヴ、まだ実をつけていたわずかな借地のブドウ樹、そして藪に戻りつつある斜面だった。再建は、扉を開け直すだけでは終わらない。ドメーヌが何をやめ、やがて何になるのかを決める必要があった。

1990年に残っていたもの

家族の物語は1920年頃に始まった。Baudouinの曽祖父母Maria JubyとLouis JubyがLes Bruandièresのブドウ畑の斜面を受け継ぎ、ドメーヌを設立した。

Patrick Baudouinは、その遺産へまっすぐ入ったわけではない。戻るまでに12年間工場で働き、パリで書籍販売に携わった時期もあった。1990年に帰郷すると、古いカーヴ、残っていたブドウ樹、放置された斜面を土台に、ドメーヌを再び築き始めた。

重要な遺産は規模ではない。同じ場所でもう一度始められることだった。

計測、土壌耕作、生物多様性のある畑の縁を描いた3点の木炭スケッチ

減らすことで再建する

再建は、自ら設けた一連の制限によって進んだ。

1994年、Baudouinは、発酵前または発酵中に糖を加えて潜在アルコール度数を高める補糖をやめた。1997年には土を耕す作業を再開し、除草剤から離れ始めた。2001年には合成農薬の使用を終了し、その後、有機認証を得た。

どの判断も、畑やカーヴを管理しやすくする手段を一つずつ手放すものだった。その積み重ねによって、注意はブドウ樹の状態、Anjou Noirを形づくる暗色の片岩質土壌、斜面ごとの差へ戻っていった。

これは、手つかずの過去へ戻る試みではない。どの介入を受け入れるかを選ぶ、現代的な計画だった。

作業机に並べたシュナンの枝とブドウ畑の地図を描いた木炭スケッチ

シュナンは品種以上のテーマになった

Baudouinにとって、ドメーヌの再建とシュナンを守る活動は、一つにつながっていった。

ドメーヌはシュナンの長期研究に取り組み、既存のブドウ樹からマサル・セレクションを進め、この品種の保存圃場を支援した。ドメーヌの外でも、栽培家と研究者が経験を持ち寄る場づくりに関わった。2015年のシュナン研究会と、それに続くAcadémie du Chenin、Fan de Cheninもその流れにある。

2022年までに、ドメーヌの生産畑はシュナンのみとなった。2026年の承継時点では、Anjou、Coteaux du Layon、Quarts de Chaume、Savennièresにまたがる12ヘクタールを擁していた。

品種を絞ることは、目的を狭めることではなかった。一つの品種を、複数の場所と形から研究する仕事へ広がっていった。

Layon渓谷を望む古樹のシュナン畑で馬耕する様子を描いた木炭スケッチ

2本のボトル、2つの章

Le Cornillard 2020は、シュナンを中心に据えた章に属する。生産者資料によれば、南東向きの1.92ヘクタールの区画で、古い片岩の上に平均樹齢50〜70年のブドウ樹が植わる。2016年秋から馬による耕作が行われ、この年は4,600本が生産された。

La Fresnaye Rouge 2019は、それ以前の章を記録する。平均樹齢60年のCabernet Francを植えた1ヘクタールの区画で、古い片岩の中をデボン紀の石灰岩の細い帯が横切る。この年は2,525本が生産された。

この2本は、同じ現在のポートフォリオを示すものではない。赤品種を含んでいたドメーヌが、生産畑をシュナンだけに絞っていった変化の方向を示している。

帰還は承継になった

2026年2月、74歳になったPatrick Baudouinは、ドメーヌをAnatole de La Brosseへ承継した。

ドメーヌはPatrick Baudouinの名を残す。既存チームが仕事を継続し、Baudouin自身も移行期間に関わる予定である。カーヴへの投資や、斜面での再植栽も計画されている。

1990年に始まった長い帰還は、所有し続けることで完結するのではない。これまでの道筋を消さずに仕事を続ける方法を選ぶという、もう一つの意図的な制限によって結ばれた。


本記事は、Domaine Patrick Baudouinの歴史、製造上の判断、文化的背景を教育目的で紹介するものです。酒類の広告、購入または飲酒の推奨を目的としていません。20歳以上の読者を対象としています。

This article presents the history, production decisions and cultural context of Domaine Patrick Baudouin for educational purposes. It is not intended to advertise alcoholic beverages or encourage their purchase or consumption. It is intended for readers aged 20 and over.