Perspectives
タイの外食市場は、どんな店が伸びているのか

宅配専門の厨房と、店で食事をする人たち。市場の数字から、飲食店が必要とするものを考える。
タイの外食市場では、宅配専門の厨房に高い成長が見込まれる一方、店内での飲食が売上の大きな部分を占めている。食事を自宅や職場へ届けるサービスと、店で料理を提供する仕事。その両方が、市場を支えている。
食材を仕入れる担当者にとって気になるのは、どのような店で、何が必要とされるかである。市場の予測を、厨房や接客の仕事と結び付けて見ていこう。
食事をする人と、食材を届ける仕組み
市場調査会社モルドール・インテリジェンスは、タイの外食サービス市場が2026年から2031年にかけて、年平均7.62%で成長すると予測している。5年間で、市場の規模が約1.44倍になるという見通しだ。
タイのクルンシー銀行も、2024年に公表した予測で、法人として営業する飲食サービス事業者の売上が、2024〜2026年に年平均4〜5%増えると見込んでいた。
同銀行は、その背景に観光需要の回復や外食する機会の増加を挙げている。さらに、食品を冷蔵・冷凍の状態で運ぶ仕組みが整うことも、成長を支える要因としている。
食材の品質を保って運べるようになれば、産地から離れた場所でも店を開きやすくなる。外食市場の広がりには、客の増加とともに、店へ食材を届ける仕組みの充実も関わっている。
宅配専門の厨房が伸び、店内飲食も大きい
モルドールが高い成長を予測するのが「クラウドキッチン」である。これは、客席を設けず、宅配や持ち帰り用の料理を作る厨房を指す。同社は、この分野が2026〜2031年に年平均25.08%で成長すると見込んでいる。
一方、同社の2025年推計では、タイ全国の外食サービス売上の67.54%を店内飲食が占める。およそ3分の2は、客が店で食事をすることによって生まれている。
料理を提供する方法が違えば、食材を選ぶときの確認事項も変わる。たとえば宅配では、調理してから食べるまでに時間がある。運んでいる間に野菜から水分が出ないか、揚げ物の食感がどう変わるかなどを確かめたい。
店内で提供する料理なら、注文を受けてから仕上げる手順や、盛りつけのしやすさも大切になる。同じ食材でも、どんな料理に使い、どのように客へ届けるかによって、使いやすい形や量が変わるのである。
「どんな店か」を、具体的な仕事から知る
市場の資料には「QSR」という言葉も出てくる。クイックサービスレストランの略で、ハンバーガー店など、注文を受けてから短時間で食事を提供する店を指す。モルドールの2025年推計では、この種類の店が売上の50.68%を占めている。
また、チェーンに属さず運営する「独立系店舗」は、売上の73.78%を占める。QSRは料理の提供方法による分け方で、独立系は店の経営形態による分け方だ。たとえば、チェーンに属さないハンバーガー店は、両方に当てはまることがある。
仕入れを考えるときは、そこから店の仕事をさらに具体的に見ていく。昼休みに注文が集中する店では、短時間で調理できることが重要になる。少人数で営業する店なら、下準備の手間も気になるところだ。
保管場所の広さも、扱える食材の量に関わる。冷蔵庫が小さければ、少量ずつ届くほうが扱いやすい場合もある。こうした事情を聞くと、包装の大きさや納品の回数について、店に合った条件を考えられる。
宅配を増やしたい店もあれば、客席でのサービスを充実させたい店もある。市場の変化が、目の前の店ではどのような仕事の変化として表れているのか。その変化を知ることが、必要な食材と届け方を考える手がかりになる。
This article examines the structure of Thailand’s foodservice market for educational purposes. It does not promote the purchase or consumption of alcohol.
บทความนี้นำเสนอโครงสร้างตลาดบริการอาหารของประเทศไทยเพื่อให้ความรู้ มิได้มีเจตนาส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์
