Bacchus
LINE

Blog

バーは「飲む場所」ではなくなった

内装が語り出す時代と、人が探す「第三の場所」

2026年3月、上海の見本市HOTELEXで、従来のブースの列ではなく、実物のバーカウンターやラウンジを再現した展示エリアが現れた。来場者はカタログを受け取るのではなく、照明や音響、動線を通じて、ブランドの世界観を「体験」する。この光景は、いまアジアの飲料業界で起きている変化を映している。バーの価値が、「何を飲むか」から「どこで、どう過ごすか」へと移っているのだ。

内装が、競争力になった

社会学者レイ・オルデンバーグが1989年に唱えた「第三の場所」とは、自宅でも職場でもない、人が自発的に集まる場を指す。かつてはカフェや図書館が代表例だった。いまアジアでは、バーがこの概念を体現する場として注目されつつある。

象徴的なのが、内装への投資だ。世界的なバーの格付けにデザインを対象とする賞が設けられていることは、味やサービスだけでなく、建築やインテリア、体験の設計までもが評価軸になったことを示している。照明の落とし方、椅子の座り心地、カウンターの素材。その一つひとつが、店の格を決める時代に入った。背景には、より早い時間帯から人とのつながりを求め、意図的に時間を過ごす若い世代の感性や、飲まない人にも居場所を用意する、低アルコール/ノンアルコール文化の成熟もある。空間そのものが、店を選ぶ理由になっている。

最前線に立つバンコク

バンコクは、この転換の最前線にある。背景には、この街ならではの二つの条件がある。

ひとつは規制の変化だ。2025年後半に強化された酒類のデジタル広告への規制により、SNSでの手軽な発信がしにくくなった。その結果、店は「来てもらう」ための空間体験そのものに目を向けるようになった。もうひとつは、友人や同僚と食卓を囲み、同じ時間を分かち合うという、バンコクに根づいた「集まる文化」である。規制の圧力と文化の素地が相まって、バーを「第三の場所」へと押し上げている。

人が探しているのは、日本の「スナック」かもしれない

ここで思い出したいのが、日本の「スナック」という独特の業態だ。小さなカウンター、「ママ」と呼ばれる店主、顔なじみの常連客、そしてカラオケと他愛のない会話。スナックは、酒そのもの以上に「居合わせること」を価値にしてきた。日本のスナックは、何十年も前から「第三の場所」を体現してきた、いわばその先輩格である。

内装に凝った最新のバーが届けようとしているものは、突き詰めれば、このスナックがずっと持っていた温かさに近いのかもしれない。派手さや大きさではなく、「自分の居場所がある」という安心。店主との距離の近さ、常連が育つ空気。実際、日本式のスナックは、いまバンコクでも静かに注目され始めている。最先端の空間設計と、昭和から続く小さなカウンター文化。一見遠いふたつは、「人が居場所を探している」という一点で、まっすぐつながっている。

場所が物語になるとき

人がバーに求めるものは、変わった。提供されるドリンクや品揃えだけではなくなった。仕事でも家庭でもない、肩の力を抜いて過ごせる場所。その居場所をどう設計するかが、これからの店の価値を決めていく。

内装にこだわること。動線を整えること。誰かにとっての「行きつけ」を育てること。それは結局、人が安心して居合わせられる「第三の場所」をつくる作業にほかならない。アジアの飲料業界は、その場所をいま、急ぎ組み上げている最中である。


This article is intended solely to explore the evolving culture of bars and social “third places” in Asia, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับวัฒนธรรมที่เปลี่ยนแปลงของบาร์และ “พื้นที่ที่สาม” ทางสังคมในเอเชียเท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ

Discover the culture behind every bottle

We share brewery stories, tasting notes and the craft of koji & fermentation — for educational and cultural purposes only.

เราถ่ายทอดเรื่องราวจากผู้ผลิต บันทึกรสชาติ และศาสตร์แห่งโคจิและการหมัก — เพื่อการศึกษาและวัฒนธรรมเท่านั้น

Follow on Instagram
Facebook


“バンコクが最多の8軒|「Asia’s 50 Best Bars 2026」が映す、強さを生む三つの積み重ね方” / “物語がインフレを起こす前に|確かめておくべきこと” / “隣人から騒音の苦情が出た。だからその店は隠れている|後から足された物語は、たいてい都合がいい”

Age Verification

This website contains information about alcoholic beverages and is intended for audiences aged 20 and above. Please confirm your age to continue.