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米の値上がりが、そのまま日本酒の値上げにならない理由

米の仕入れ単価が上がれば、酒蔵の負担も増える。けれど、製品を値上げするだけで、その負担を補えるのだろうか。改定後も同じように注文が続くとは限らず、酒蔵は原料の費用と販売の両方に向き合うことになる。
新潟県立大学の佐藤淳氏による、酒蔵を対象とした研究からは、原料の値上がりと、完成した酒の価格との間にある難しさが見えてくる。
米代と、酒造り全体の費用を分ける
研究のもとになったのは、2025年11月に行われたアンケートだ。全国から115社が回答し、米の仕入れ単価について数値化できた113社では、2025年の上昇率が2023年比で平均95.3%となった。ほぼ2倍の水準である。これは回答を数値化した推計で、回答企業は中小規模の蔵に偏っている。全国の米相場や、酒蔵全体を代表する平均とは区別したい。
ここでいう原料米は、酒造りに使う米を指す。日本酒には米麹を造るための米と、そのほかに仕込む米が必要だ。原料として欠かせないだけに、仕入れ単価の変化は蔵の費用に関わってくる。
一方、酒造りには米以外にも、瓶や箱、電気、人件費などの費用がかかる。米代がほぼ倍になっても、製造費全体が同じ割合で増えるとは限らない。もともと米代が費用のどれほどを占めていたかによって、影響の大きさは違う。
米の上昇率だけを見て、すべての日本酒に同じ値上げ幅を当てはめることはできないのだ。
値上げできたかと、利益を保てるかは別
増えた費用を製品価格へ反映することを「価格転嫁」という。研究では、2025年の実績と2026年の値上げ予定を使い、72社について転嫁の状況を判定した。販売数量が変わらないと仮定し、米代の増加分だけを補う改定幅を計算すると、22社はその幅に届かなかった。約3割という数字は、この72社を分母としている。予定も含むため、すべてが実施済みの結果ではない。
では、必要な分を値上げできれば安心なのだろうか。一本あたりの収入が増えても、注文される本数が減れば、売上全体は思うように増えない。さらに、製造量を減らしても、設備の維持や人の雇用にかかる費用まで、同じ割合で減らせるとは限らない。
論文では、先行研究の小売購買データから推定した、価格の変化に対する販売数量の反応を使い、この関係を試算している。そこに示された数量減は、実際に全酒蔵で起きた結果ではない。仮定を置いて計算した場合に、どんな難しさが生じるかを示したものだ。
原料が高くなった分を価格に上乗せすることと、酒造りを続けられる収支を保つこと。その間には、売れる量が変わるという、もう一段の問題がある。
原料の負担を、どこで受け止めるのか
この調査だけで、特定の銘柄の改定理由や、タイでの販売価格まで説明することはできない。日本の蔵元から出荷され、国境を越えて届くまでには、輸送や為替など、原料米とは別の条件も加わる。日本の調査結果と、バンコクで目にする一本の価格は、つながっていても同じ数字ではない。
また、価格が変わったことと、原料や造り方が変わったことも、分けて捉えたい。同じ製法を続けるための費用が増える場合もあれば、商品そのものの設計を見直す場合もある。個々の商品については、造り手の説明に沿って理解するのが出発点となる。
米を確保する側にとっては、単価だけでなく、いつ、どれだけ必要になるかも大切だ。農家や流通業者と蔵が、先の見通しをどこまで共有できるか。費用の増加を蔵だけで引き受けるのか、その先の取引でどう分担するのか。考える範囲は、酒を造る工程の外にも広がっている。
日本酒の値上げを読み解くには、米代、製品価格、販売数量を順にたどると分かりやすい。原料が高くなったという一言の向こうで、造り手は何を続けるために、どんな負担を引き受けているのか。研究が示しているのは、価格を改定するだけでは解けない、酒造りを続ける難しさなのである。
This article examines research on rice procurement costs and the sake industry for educational and cultural purposes. It does not promote the purchase or consumption of alcohol. Intended for readers aged 20 and over.
บทความนี้นำเสนอข้อมูลการวิจัยเกี่ยวกับต้นทุนการจัดหาข้าวและอุตสาหกรรมสาเกเพื่อการศึกษาและวัฒนธรรม ไม่ได้มีเจตนาส่งเสริมการซื้อหรือการบริโภคเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้อ่านอายุ 20 ปีขึ้นไป
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