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ボルドーのワインが苦しいのは、不景気のせいではなかった

107軒のワイナリーを束ねる団体の会長が語る、立て直しの考え方

フランスの「ボルドー」といえば、世界でいちばん有名な赤ワインの産地だ。長く人気が続いてきた、いわば優等生のような土地である。

ところがいま、そのボルドーが大きく揺れている。107軒のワイナリー(ワインを造る醸造所・農園)が集まる団体の会長、フィリップ・ド・ポワフェレ氏は、こう語る。「これは一時的な不景気ではない。もっと根の深い、仕組みそのものの問題だ」と。景気がよくなるのを待っていても、解決しないというのである。

二つの逆風が、同時に吹いている

ボルドーが苦しい理由は、「赤ワインが売れない」だけではない。二つの逆風が重なっている。

一つ目は、人々の好みの変化だ。どっしり重い赤ワインより、白やロゼ、軽くて飲みやすい赤を選ぶ人が、世界的に増えた。

二つ目は、お金の流れの問題である。ボルドーには「ネゴシアン」と呼ばれる、ワインの問屋がいる。ワイナリーから大量に買い取り、世界中の店へ流通させる仲介役だ。この問屋は、たいてい借金をしてワインを仕入れる。ところが近年、お金を借りるときの金利が、かつての1%ほどから5%や6%へと上がった。利息が高くなると、在庫を抱えるだけで損が膨らむ。だから問屋は仕入れをためらう。仲介が止まれば、ワイナリーにお金が入ってこない。これが「景気の波」ではなく「仕組みのきしみ」だといわれる理由である。

団体の役割を、「宣伝」から「商売の手助け」へ

この危機に対して、ポワフェレ会長が率いる団体は、自分たちの役割を大きく変えた。これまでのように「ボルドーは素晴らしい」と宣伝する役から、加盟するワイナリーの商売を直接手伝う役へと変わったのである。

具体的には、イギリスやドイツ、ポーランド、ベルギーから買い手を招き、商談の場をつくる。フランス国内でも、ソムリエ(レストランでワインを選ぶ専門家)や、町のワイン店との関係を結び直す。

おもしろいのは、団体に入るための審査が厳しいことだ。過去3年分のワインを、20点満点で味の審査にかける。12点に届かなければ、加盟は断られる。毎年、何軒かが落ちるという。有名かどうかではなく、品質で選ぶ。それが、この団体の筋の通し方だ。

ボルドーは「ひとつの味」ではない

会長の言葉で心に残るのは、ボルドーを「ひとつの決まった味ではなく、人と土地と歴史の集まり」と捉える見方である。

同じ土地でも、造る人の考えが違えば、できるワインも変わる。大きな会社から、サッカー場数面分ほどの畑を持つ小さな農家まで、いろいろな造り手がいる。その幅の広さこそ強みだという。

会長は、赤のイメージが強いボルドーに、白ワインの大きな可能性も見ている。意外だが、ボルドーは1970年代まで、赤より白を多く造っていた土地でもある。白ワインづくりに必要な繊細な技術は、いまの「軽やかで洗練されたワイン」を好む流れと、よく合うというのだ。

その姿勢は、畑の作業にも表れている。気候が暑くなったことを受け、これまで日光を当てるために行っていた「葉を落とす作業」のやり方を、むしろ実を守る方向へと変える。長く禁じられてきた水やり(灌漑)についても、ルールの見直しが話し合われ始めた。守るために、やり方を変える。会長のいう「磨き続ける」とは、立派な理念のことではなく、葉の一枚をどう落とすかという、地道な手仕事のことなのだ。

バンコクのワイン棚にも、同じ問いがある

遠いボルドーの立て直しは、バンコクで輸入ワインを扱う私たちにとっても、人ごとではない。人々の好みが動き、輸送コストが変わるなかで、産地や造り手の物語を、どう伝え、誰に届けるか。問われていることは、驚くほど同じである。

ポワフェレ会長は、ボルドーはきっと危機を乗り越えると語る。その理由は、長い歴史があるからではない。造り手がいまも畑に向き合い、よりよいものを目指し続けているからだという。守るべきは「有名な名前」ではなく、人と土地が出会う場所で、よりよいものを生み出し続けるその姿勢なのだろう。バンコクのワイン棚に並ぶ一本のワインの裏側にも、同じ問いが静かにある。


This article is intended solely to explore the winemaking artistry and cultural heritage of the Bordeaux region and the Grand Cercle des Vins de Bordeaux, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่อนำเสนอข้อมูลเกี่ยวกับศิลปะการทำไวน์และมรดกทางวัฒนธรรมของแคว้นบอร์โดและ Grand Cercle des Vins de Bordeaux เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ


“気候変動がワインの世界地図を書き換える──伝統産地の危機と「北方シフト」が問い直すテロワールの意味”

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