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規制がゆるんだ。だが二つの変更は、別々の役所が進めた――2026年のタイ酒類制度

2026年のタイでは、酒にかかわる決まりについて二つの緩和の動きがあった。一つは酒を輸入するときの決まりである。もう一つは、店で酒を売れる時間の決まりである。
二つの変更は近い時期に起きた。そのため「2026年の酒類規制改革」とひとまとめに語られることがある。だが、担当する役所が違う。もとになる法律も違う。決定した会議体も違う。一つの流れとして読むと、次に何が動くのかを読み違える。
輸入の決まりで動いたこと
タイの財務省が2026年3月27日に、酒類の輸入に関する省令第3号を出したと伝えられている。省令とは、法律そのものではなく、担当する省が出す細かい決まりのことである。2017年に制定された同名の省令を改正したものにあたる。複数の法律専門メディアが、この内容を報じている。
変わった範囲はせまい。ブドウから造るワインとスパークリングワインについて、ある条件を一つ外した。それだけである。
外れた条件とは、「輸入する会社が、そのブランドの独占代理店であること」というものだ。独占代理店とは、あるブランドの酒をタイに持ち込める会社を一社だけに限る仕組みである。タイでは長いあいだ、酒を売る目的で輸入するには、その権利を持っていることを示す書類が必要とされてきた。もとになっているのは、酒やたばこにかかる税を定める物品税法の下位規則だと報じられている。同一ブランドの酒を、複数の会社がそれぞれ輸入することは、原則としてできない仕組みである。
今回、この条件の対象から外れたのはワインだけである。物品税局の担当者は、対象はワインに限られ、蒸留酒とビールは入らないと述べている。日本酒と焼酎は、この「ワイン以外」に該当する。したがって、日本酒と焼酎の扱いは制度上これまでと変わらない。
ただし注意が必要である。日本酒や焼酎について明記した公式文書があるわけではない。「ワインだけを外した」という発表から逆に考えて、そう理解しているにすぎない。
売る時間の決まりで動いたこと
もう一つの変更は、別の法律から来ている。
タイでは長いあいだ、午後2時から5時までは酒を売れなかった。この時間帯の禁止は、2025年12月にいったん外された。ただしこのときは180日間だけの試行措置であった。その後、2026年5月28日に官報に載った通知によって、翌29日から期限のない措置に変わった。官報とは、国が新しい決まりを正式に知らせるための文書である。
いま、許可を持つ小売店と飲食店は、午前11時から深夜0時まで、途切れなく酒を販売できる。タイ観光庁が外国人向けにこの内容を知らせている。
こちらのもとになっているのは酒類規制法という別の法律である。担当する省庁も、財務省ではなく公衆衛生省である。通知を出した委員会も、輸入規制を扱う組織とは別である。
二つを一つと考えると、何を読み違えるか
二つを一つの改革として捉えると、仕事のうえで二種類の読み違いが起きる。
一つは、次に動く順番の読み違いである。輸入の条件がゆるんだからといって、販売時間の規制も続いてゆるむわけではない。逆もまた同じである。二つの変更は別々の会議体で議論されており、動く条件も違う。
もう一つは、待ち方の読み違いである。省令には、制定された日付と、官報に掲載されて効力が生じる日付がある。この二つは同じとは限らない。輸入実務で意味を持つのは後者だが、報道の見出しになりやすいのは前者である。今回の省令についても、すでに出されたと伝える記事と、まだ官報に載るのを待つ段階だと書く記事の両方がある。制度変更を自社の計画に織り込むときは、どちらの日付の話なのかを確かめる必要がある。
「なぜワインだけなのか」に、公式の答えはない
ここは、確認できていない点を明記しておきたい。
ワインが先に対象となった理由について、タイ政府が説明した文書は見あたらない。物品税局の担当者が説明しているのは、競争の促進、価格の低下、観光の支援といった目的までである。ブドウ産地からの要請や貿易交渉を、今回の措置と政府が公式に結びつけた記述は確認できなかった。
日本酒と焼酎がなぜ従来の規制対象として残ったのかについても同じである。品目ごとに扱いを分けた理由を、当局が説明した記録は見あたらない。市場の大きさや流通のかたちから理由を推し量ることはできる。だがそれは推測であって、制度の説明ではない。推測と、根拠を確認できる制度上の説明とを混ぜて書くと、読む側には根拠のある説明として届いてしまう。
仕事で確かめるべきこと
バンコクで酒を扱う側にとって、この一年の変化から読み取れることは、おそらく一つである。
「規制がゆるんだ」という言い方は、それだけでは何も特定していない。どの法律の、どの手続きが、いつから変わったのか。そこまで下りて初めて、自社の仕入れや営業の計画につながる。二つの変更が別々の法制度・所管から生じたという事実は、法律や手続きの単位まで細かく分けて追う必要があることを示している。
制度は、業界という単位では動いていない。担当する役所ごとに、別々の速さで動いている。
This article is intended solely to explain recent changes to Thailand’s alcohol import licensing and retail hour regulations for educational purposes, and does not aim to promote or encourage the consumption of alcohol. / บทความนี้จัดทำขึ้นเพื่ออธิบายการเปลี่ยนแปลงของกฎระเบียบว่าด้วยใบอนุญาตนำเข้าเครื่องดื่มแอลกอฮอล์และเวลาจำหน่ายในประเทศไทย เพื่อเป็นข้อมูลความรู้เท่านั้น มิได้มีเจตนาเพื่อส่งเสริมหรือโฆษณาเครื่องดื่มแอลกอฮอล์ สำหรับผู้มีอายุ 20 ปีขึ้นไป โปรดดื่มอย่างรับผิดชอบ
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